スタッドレスタイヤを履いていても、実際に雪道を走る時間って、意外と短くない?
スキーやスノーボード、冬の温泉旅行。雪道を目指して出かけても、そこへたどり着くまでは街中を走り、高速道路を何時間も走る。普段使いなら、ほとんどがドライ路面だ。

だったらスタッドレスも、雪や氷の上で「止まる・曲がる」だけじゃなく、高速道路での安定感や静かさ、乗り心地だって大切なはず。
じゃあ、そんな使い方に合うスタッドレスって何だろう?


そこで訪ねたのが、タイヤ&ホイールの大型専門店「カーポート・マルゼン西宮店」。輸入車オーナーも多く訪れるタイヤのプロに、冬タイヤ選びについて聞いてみた。
冬タイヤ選びは、早めの準備と“使い方”が大切!

スタッドレスは、雪が降ってから慌てて探すより、早めに準備しておきたい。冬本番になると注文が集中し、欲しいタイヤや愛車に合うサイズが手に入らないこともあるからだ。
そこでうれしいのが、カーポート・マルゼンの保管サービス。購入したタイヤを装着時期までの期間、預かってもらえる。欲しいタイヤとサイズを早めに確保して、必要になったら装着するという買い方ができるというわけだ。

じゃあ、どんなスタッドレスを選べばいい?
そこでカーポート・マルゼン西宮店の末浪さんに聞いてみると、大切なのは「どんな環境で使うのか」だという。雪道を走る頻度や距離、高速道路を使う機会、普段走る路面、さらにクルマの重量やパワーによっても、選びたいタイヤは変わってくる。

「同じスタッドレスタイヤでも、装着するクルマによって求められる性能が違います。 たとえば、車重が重く重心の高いSUVでは、その重量をしっかり支えながら、コーナリングや高速走行時の安定感も重要になります。大きなトルクを瞬時に発生するEVなら、重量に加えてタイヤにかかる負担も増えます。さらにハイエースやキャラバンのようなバンでは、人や荷物を積んだ状態でも車体を支えられる荷重能力が欠かせません。
タイヤは単にクルマを転がしているだけではなく、車重を支え、エンジンやモーターの力を路面に伝え、曲がる・止まるという動きを受け持っています。 だからこそ、サイズさえ合えば何でもいいわけではなく、クルマの重量や構造、使われ方まで考えて選ぶ必要があるんです。
例えば、長距離を走る人なら、雪上性能だけでなく高速道路での安定性や静粛性、疲れにくさも見たほうがいいですね」。
つまり、雪や氷の上での性能だけでなく、自分が冬にどうクルマを使うのかまで考えて選ぶことが大切なのだ。
そう考えると、雪道での性能はもちろん、普段のドライ路面や高速道路での走りにも目を向けたくなる。そこで注目したのが、北欧生まれの「ノキアンタイヤ」だ。
実は90年以上の歴史! 冬タイヤのパイオニア

「ノキアンタイヤ」を知っているだろうか? 日本ではまだ馴染みの薄い名前だけれど、実はフィンランド生まれで、北欧ではシェアNo.1を誇るタイヤメーカーなのだ。しかも、冬タイヤに関しては筋金入り。1934年に世界初となる冬用タイヤ「ケリレンガス」を開発し、その2年後には乗用車用の「ハッカペリッタ」が誕生。以来90年以上、ひたすら冬の道と向き合ってきた。
今では世界55カ国で販売され、VOLVOやBMW、ジャガー、レンジローバー、テスラなども認定冬タイヤとして採用。実は冬タイヤの世界では老舗メジャーブランドなのだ。
北欧生まれなのに、日本の雪まで研究していた!

でも、北欧と日本では雪質が違うのでは? 実はノキアン、日本の冬もしっかり研究している。
ひと口に雪道といっても、その状態は同じではない。北欧のように気温が低い地域では、比較的乾いた雪や圧雪路を走る場面が多い。一方、日本は地域による差が大きく、本州の日本海側などでは水分を多く含んだ重い雪やシャーベット状の路面も多い。


さらに気温が上下すれば、昼間に溶けた雪が夜に再び凍り、滑りやすい凍結路になることもある。北海道でも、市街地の交差点などではクルマに踏み固められ、表面が磨かれたような非常に滑りやすいアイスバーンが発生する。


そのため冬タイヤには、雪をしっかりつかむ力だけでなく、シャーベット状の雪や水を溝から排出する力、氷の表面にできる水膜を取り除いて路面に密着する力も求められる。さらに低温でもゴムが硬くなりすぎず、路面の細かな凹凸に追従できることも重要だ。つまり、日本の冬道に対応するには、単に「雪に強い」だけではなく、圧雪、湿った雪、シャーベット、凍結路と、次々に変わる路面へ対応できることが必要になるというわけだ。
最新スタッドレス「ハッカペリッタR5」の開発では、本国スタッフが来日し、北海道・旭川に滞在してテストを実施。サラサラの雪から水分を含んだ雪まで、日本特有の路面環境を確認しながら、コンパウンドなどを煮詰めていった。
氷に強い! “小さなスパイク”を持つ「HAKKAPELIITTA R5」

日本の冬も見据えて開発された、ノキアンの最新スタッドレスタイヤが「HAKKAPELIITTA R5(ハッカペリッタ・アールファイブ)」だ。
まずこだわったのは雪道や凍結路での安心感。注目したいのが、ゴムに配合された「アークティックグリップクリスタル」だ。ミクロの結晶が小さなスパイクのような役割を果たし、滑りやすい氷をしっかりと捉える。しかもタイヤが摩耗すると、新たな結晶がタイヤの表面に現れるというから面白い。

さらにタイヤの内側と外側でブロックの形や配置を変えることで、直進時の安定性とコーナリング時のグリップにも配慮。しっかり止まるだけでなく、雪道を安心して走って、曲がれる。まずは冬タイヤとしての基本性能をしっかり磨き上げている。
スタッドレス特有のフワフワとした頼りなさを解消
雪道だけじゃなく、ドライ路面や高速道路の走りにも自信アリ!

でも、R5の面白さはここからだ。スタッドレスタイヤを履いていても、普段走るのはほとんどが雪のない道。スキー場へ向かうときだって、長い高速道路を走った先に雪道が待っている。
そこでR5は、スタッドレスタイヤ特有のフワフワとした頼りなさを抑え、ドライ路面でもしっかり走れるように設計されている。高速道路でのレーンチェンジでも安定感があり、走行中のノイズも抑えている。雪道へ向かうまでの道のりも、快適に走れるというわけだ。


さらに、長く使っても性能を保ちやすいのもR5の魅力。実際、北海道のタイヤショップからは、3〜4シーズン使っても「まだしっかり効く」という声も聞かれるそうだ。そして面白いのが、トレッド面に刻まれた「8・6・4」の数字。タイヤが減るにつれて「8」が消え、さらに減ると「6」が消えていく。つまり、数字を見るだけで、残り溝がどれくらいあるのかがわかるのだ。
雪道ではしっかり効く。でも、雪のない道でも快適で、長く付き合える。普段使いから冬のロングドライブまで考えると、このバランスのよさこそR5の大きな魅力なのだ。
SUVとEVに向けた専用タイヤも開発
同じR5でも、単にサイズを変えているだけじゃない。SUVにはSUV、EVにはEVと、それぞれのクルマの特性に合わせて専用開発されているのも面白いところだ。

さらに注目したいのが、最大22インチまで用意される豊富なサイズ展開。ポルシェ・カイエンやメルセデス・ベンツの大型SUVなど、大径ホイールを標準装着するクルマでも、インチダウンせず冬タイヤを選べるのは大きなメリット。見た目のバランスを崩さないだけでなく、高性能SUVが本来持っている走りの良さを生かしたまま、冬仕様にできるのだ。
重い車体と高い重心をしっかり支える「R5 SUV」


「R5 SUV」は、車重が重く、重心が高いSUVに合わせて剛性を高めた専用設計。スタッドレスタイヤ特有の頼りなさを抑え、高速道路でもしっかりとした走りを狙っている。さらにサイドウォールには、高強度のアラミド繊維を配合。重量級SUVをしっかり支えながら、路面からの衝撃やダメージにも強い、タフな作りになっている。
重量と大トルク、静粛性まで考えた「R5 EV」


「R5 EV」は、車重が重く、大きなトルクを発生するEVに合わせてトレッドを強化。さらにタイヤ内部には吸音スポンジを備え、走行中のノイズを低減。転がり抵抗も抑えることで、EVに欠かせない静かさと航続距離にも配慮している。
ハイエースやキャラバンに“本気”のスタッドレス登場!
「HAKKAPELIITTA CR4」
そして2026年、ノキアンの冬タイヤに新たに加わったのが、ハイエースやキャラバンなどのバンに向けて開発した「HAKKAPELIITTA CR4(ハッカペリッタ・シーアールフォー)」だ。

バン用タイヤで欠かせないのが、重い荷物を積んでも安心して走れること。CR4は商用車に求められる荷重能力を備えた「C規格」に対応しているため、ハイエースなどの商用車でも車検に対応できるサイズを用意。そのうえで、ノキアンが培ってきた冬タイヤの技術を惜しみなく盛り込んでいる。


氷雪路でしっかりグリップするのはもちろん、タイヤの骨格部分を強化し、サイドウォールにはアラミド繊維を配合。重い荷物を積むバンをしっかり支え、路面からの衝撃にも強いタフな作りになっている。それでいて、静かさや耐摩耗性、燃費につながる転がり抵抗まで考えられている。
仕事だけでなく、キャンプやスキー、車中泊など、いまやハイエースやキャラバンの使われ方は幅広い。荷物をたっぷり積んで高速道路を走り、そのまま雪山へ向かうこともある。ならば、バン用スタッドレスだって「荷重に耐えられればOK」ではモノ足りない。CR4は、雪道での安心感はもちろん、そこへ向かう道のりまでしっかり考えた、“本気のバン用スタッドレス”なのだ。
自分のクルマならどのノキアン?
ここまで紹介してきたように、ノキアンのスタッドレスタイヤには、乗用車向けの「HAKKAPELIITTA R5」、SUV向けの「R5 SUV」、EV向けの「R5 EV」、そしてハイエースやキャラバンなどのバンに対応する「CR4」が用意されている。

では、自分のクルマならどれを選べばいいのだろうか?
基本的には車種カテゴリーに合わせて考えれば分かりやすい。ただし、「SUVだからR5 SUV」「EVだからR5 EV」と車種だけで決まるわけではない。タイヤサイズはもちろん、車重や必要な荷重能力、積載量などによっても選択肢は変わってくる。
たとえば一般的な乗用車なら「R5」が基本となるが、アルファードのような重量級ミニバンでは、サイズや荷重条件によって「R5 SUV」が候補になることもある。RAV4やランドクルーザーなどのSUVでは、重い車体や高い重心を考慮して設計された「R5 SUV」が中心となる。一方、EVやPHEVでも、車両重量やタイヤサイズなどによって「R5 EV」だけでなく「R5 SUV」が選択肢になる場合がある。

そしてハイエースやキャラバンなどの商用バンでは、荷物を積んだ状態でも車体を支えられる荷重能力が重要。そこで候補となるのが、バン向けに開発された「CR4」だ。
一方、高速道路を使った長距離移動が多いからといって、必ず別カテゴリーのタイヤを選ぶわけではない。長距離を走るユーザーなら、適合するタイヤの中から、高速走行時の安定感や静粛性、ドライ路面での走りやすさ、耐摩耗性などにも注目して選びたい。この点も、ノキアンのスタッドレスタイヤなら、雪や氷の上でのグリップだけを追求しているわけではなく、雪道へたどり着くまでに長い舗装路や高速道路を走ることも考慮しているので安心だ。
ここでもう一度各カテゴリーを簡単にまとめると……
R5:乗用車に合わせた安定性と静粛性
R5 SUV:重量・高重心・高負荷に対応した安定性
R5 EV:重量と大トルクへの対応+静粛性
CR4:重い積載にも対応しながら安定して走れる構造
車種カテゴリーはあくまでタイヤ選びの入口。車重や荷重、タイヤサイズ、そして冬にどんな使い方をするのかまで含めて選ぶことが、自分に合った一本を見つけるポイントだ。そんなタイヤ選びで迷った時に心強いのが、カーポート・マルゼンのようなタイヤショップと言うわけだ。
スタッドレスの寿命に注意!
スタッドレスタイヤを買うときに気になるのが、「何シーズン使えるのか?」ということではないだろうか。
一般には3〜4シーズンがひとつの目安とされることが多いが、寿命は走行距離や路面、保管状態によって変わる。雪の少ない地域でも、冬の間ずっとドライ路面や高速道路を長距離走れば摩耗は進む。一方で、走行距離が少なければ溝は残りやすい。つまり、地域だけでなく、どんな使い方をしているかが重要なのだ。
また、溝が残っていても安心とは限らない。スタッドレスはゴムの柔らかさも重要なため、年数が経って硬化すれば、雪道や凍結路での性能は低下していく。
そこで分かりやすいのが、ノキアン独自の残溝インジケーター。トレッド面に刻まれた「8・6・4」の数字が摩耗とともに消えていくため、タイヤを見るだけで残り溝を把握しやすい。

さらに寿命を延ばすためには、履いていない季節の保管も大切だ。直射日光や雨、熱を避けて保管することで、タイヤの劣化を抑えやすくなる。
「何年使ったか」だけで判断するのではなく、残り溝やゴムの状態まで確認すること。 迷ったときは、シーズン前にタイヤショップでチェックしてもらおう。
カーポート・マルゼンでは、先に紹介したタイヤの保管サービスも利用できる。スタッドレスは購入時の性能だけでなく、「どう使い、どう保管し、いつ交換するか」まで含めて考えることで、安全に長く付き合えるタイヤになるのである。

自分に合った冬タイヤを、プロと一緒に選ぼう!
雪や氷の上でしっかり効くことは、スタッドレスタイヤとして大前提。でも、普段の街乗りや高速道路での安定感、静かさ、乗り心地だって大切だ。
雪道はもちろん、そこへ向かう道のりまで気持ちよく走れる。北欧の厳しい冬で磨かれ、日本の雪まで研究してきたノキアンタイヤを知るほど、その魅力はそんなところにあるように思えてくる。

もちろん、クルマや使い方によってベストな一本は変わる。全国に6店舗を展開する「カーポート・マルゼン」なら、車種だけでなく、普段の使い方や冬の行き先まで踏まえて、自分に合った一本を相談できる。


雪道に強いだけじゃない。冬のドライブそのものを快適にしてくれる。そんなスタッドレスを探しているなら、この冬、ノキアンタイヤを選択肢に加えてみてはいかがだろう。
(編集協力:株式会社阿部商会)


カーポート・マルゼン西宮店

今回取材した「カーポート・マルゼン西宮店」は、タイヤ&ホイールの大型専門店。店内にはさまざまなメーカーのタイヤやホイールが並び、クルマや予算、普段の使い方などを踏まえながら、スタッフに相談して商品を選ぶことができる。
カーポート・マルゼンは今回取材した西宮店だけでなく、大阪本店、埼玉本店、宇都宮インターパーク店(2026年10月29日オープン)、枚方店、東大阪店を含む6店舗を展開している。近くに店舗があるなら、「自分のクルマにはどんな冬タイヤが合う?」というところから相談してみるのもいいだろう。






