2026年のモーターサイクルショー。デイトナのブースでひと際熱い視線を集め、多くのライダーから市販化と、その続報を待ち望まれていた新型インカムがあった。
パーツ&アクセサリーの総合メーカー・株式会社デイトナが、満を持して世に送り出す完全新規のバイク用インカムブランド「RESO(レソ)」が、2026年6月15日(月)に発売された。

正式発売を前に、6月5日(金)メディア向けの新商品発表会が開催され、RESOシリーズの正式な情報が解禁された。インカム群雄割拠の時代である今、デイトナ新世代インカムが誇る機能の数々を紹介する。


新ブランド「RESO(レソ)」
世界的なドローンメーカーの元エンジニアたちが集結し、誕生した最先端テック系ベンチャー企業が生み出したインカムブランド「RESO」。
時速100km以上で飛び交い、一瞬の通信ロストや制御の遅れが致命傷となるドローン技術。この極限状態で培われた高度な無線通信ノウハウを、そのままバイク用インカムに応用・転用したのが、RESOシリーズだ。
(※以下、新商品の3機種は「PRO「NEO」「LITE」と紹介する。価格は税込)

(フラッグシップ/MESH対応)

(スタンダード/MESH対応)

(エントリー/オープンBluetooth対応)
そもそもMESHとは?
近年、バイク用インカムの多くに採用されているMESH。RESOシリーズでは「PRO」と「NEO」がMESHに対応しており、それぞれ異なる接続技術が投入されている(後述)。「LITE」は、独自のBluetooth技術「FLOW TALK(フロートーク)」を採用する(こちらも後述)。
Bluetoothのおさらい
Bluetoothをカンタンに解説すると「デジタル機器同士をワイヤレスでつなぐ通信規格」のこと。複数台を接続する際は「数珠つなぎ」のイメージで中継しながら音を伝える。

MESHでは…
対してMESHは複数中継が可能(右図参照)。
つまり、Aの声はB、C、Dに同時に届く。従来のA-B-C中継ももちろん可能だ。
なお、MESHはBluetoothのような「規格」ではなく「概念」という解釈が正しい。
Bluetoothは規格化されて明確なルールがある。対してMESHは概念であるため、各メーカーがオリジナルのルールで作成できるといった柔軟性も持ち合わせている。

RESOは2種類のMESHを展開
そこでRESOは2種類のMESHを展開。
1つめは「ソフトウエアMESH」。大雑把にたとえるなら、インカムとスマホをテザリングして、LINE通話するアレをイメージだ。アレとMESHの2種類を状況に応じて自動的に使い分ける技術となっている(次項で解説)。
2つめは「UniSync(ユニシンク)」だ。こちらはインカム同士をつなぐMESHという認識でOK。
DuoSync
DuoSyncは世界初のデュアルチャンネルメッシュインターコム技術。 MESH通信とスマホのWi-Fiを介したソフトウエアMESH(ネットワーク通信)を併用して、最大30人・通信距離無制限を実現しており、フラッグシップモデル「PRO」のみに搭載される。詳細は以下のイメージ図を参考にしてほしい。


逆に、山道などネットワーク通信が不安定な場所に入ればMESH通信に切り替わる
MESH通信は通信距離が2kmという制限があり、ネットワーク通信はスマホ圏外で不通になる制限がある。そのため、通信状況に応じて自動で使い分ける。これがDuoSyncだ。
なお、イメージはLINEなどの通話アプリだと先述したが、実際は別モノ。スマホの電波を借りてはいるが、通信そのものはアプリを介さず本体同士が行っているため、遅延は最小限&高品質な通話が可能となる。
UniSync
UniSyncは、いわゆるMESH通信で、スタンダードモデル「NEO」に搭載される。通信距離は最長2kmで15人まで接続可能。これは最新のインカム事情に詳しい人ならすぐ理解できるだろう。
FLOW TALK
「LITE」に搭載される、RESO独自のBluetooth技術がFLOW TALKだ。オープンモードにしているLITE同士が近づくだけで接続ができる機能(オープングループ)。ペアリングも不要だ。

もちろん、従来のインカムと同様にグループ化して、固定メンバーのみでの通話も可能(フィックスグループ)だ。
「PRO」最大のウリはDuoSyncによる2段構え接続
従来のインカム接続には以下の弱点があった。
・Bluetooth
→接続、とくに複数台のペアリングが困難。距離は約2kmが限度で遮蔽物に弱い
・MESH
→接続しやすくBluetoothの上位互換のようだが、同じく距離は約2kmが限度で遮蔽物に弱い
・ネットワーク通信
→汎用の通話アプリは、遅延が激しく音質も最低保証レベル。ネットワーク圏外で使用不能
これらのネガをすべて解決できるのがDuoSyncを搭載する「PRO」だ。
スマホを介せば、遮蔽物を気にせず距離無制限で最大30人と同時接続ができ、最小限の遅延&高品質な通話を実現。さらにスマホが圏外になっても、瞬時にMESH接続に切り替えてフォローする完璧な2段構えとなっている。
PROが持つ次世代機能
フラッグシップモデルだけあって「PRO」には様々な機能が搭載されている。
リアルタイムマップ表示
PROにはGPSが内蔵されており、ライダーがどこを走っているかアプリからリアルタイムで確認できる。また、その日に走行したトリップデータをGPXファイルにしたり、走行の軌跡も確認できたりといった機能も搭載する。

SOS発信機能
ジャイロセンサーの搭載により、転倒や衝撃を検知した際にSOSのメッセージを発信できる。
あらかじめアプリに設定した緊急連絡先にSOSメッセージを送れるほか、SMS宛に位置情報なども送れる。

その他
FMラジオ機能のほか、節電のためのスリープモード、自動電源オフ機能も搭載する。
RESOシリーズのココがすごい!
DuoSyncを搭載する「PRO」、UniSyncを搭載する「NEO」、そしてオープンBluetoothを搭載する「LITE」。これら3機種がもつ、RESOシリーズ共通の特長をまとめた。

編集部で実際に使用して、とくに「スゴイ!」と感じた機能は、②、③、④。
②マグネットベース採用(※LITEは非対応)
ヘルメットに固定するのはベースのみ。配線もベースに集約されているので、本体のみをカンタンに着脱できる。マグネット+ツメによるロック機構で固定するため、ほぼワンアクションで完結する。


評価ポイントはセキュリティ面における安心感だ。バイクから離れる際、高価なインカムはなるべく放置したくない。本体だけを手軽に着脱できるため、イタズラ・盗難対策になる点は非常にありがたい。
③AIノイズリダクション
ドローンの風切り音対策で磨かれた「Aiノイズリダクション」を搭載。時速100kmを超える高速クルージング中であっても、ゴォーという風切り音やロードノイズを綺麗にカットし、人間の「声」だけをシャープに判別して届けてくれる。

一般的なノイズキャンセルは「周波数〇Hz~△Hzの音をキャンセルする」と設定されているモノがほとんど。つまり「聞き分けて」いるわけではない。対してRESOシリーズはAIによる判断によって音を選別しているのだ。
このクリア音声のレベルを文面で伝えることは難しいが、過去に使ってきたインカムの中でトップクラスの音質。下道の法定速度内なら、「すぐとなりにいるライダーと話している感覚」だった。
④ 低遅延150ms
たとえば走行中に危険を察知し、後続車に「危ない!」と叫んだ声が1秒近く遅れては何の意味もない。

RESOは、片道の通信遅延をわずか150ms(0.15秒)に抑え込んでいる。これは人間の脳が「遅れ」として認識できないレベルの超高速通信だという。
DTシリーズや他社インカムとの接続は?
3機種ともユニバーサル接続は可能(※)。厳密にいうと「PRO」と「NEO」はユニバーサルインターレシーブで、「LITE」はユニバーサルインターコールで接続する形になる。
(※)すべてのモデルとの接続、安定性を保証するものではない。
MESH接続(PROおよびNEO)の場合、ペアリングしたDTシリーズ/他社インカムもそのグループに混ぜることも可能。
Bluetooth接続(LITE)の場合は、1対1なら問題なく接続OKだ。
どれを選ぶ? 個性が明確な3機種のスペック比較
すべてのライダーのスタイルに合わせられるよう、RESOシリーズには異なる通信技術をベースにした3つの選択肢が用意されている。
最高峰の機能を求めるなら、もちろんフラッグシップモデル「PRO」を選びたい。
【次世代MESHモデル】PILOT PRO(パイロット・プロ)


- 税込価格: 4万8,400円
- 通信技術: ソフトウエアMESH通信&ハードウエア通信「DuoSync」
- 最大通話人数: 30人
だが、用途によっては「NEO」「LITE」がベストチョイスになるだろう。
【スタンダードモデル】PILOT NEO(パイロット・ネオ)


- 税込価格: 3万3,000円
- 通信技術: ハードウェアメッシュ「UniSync」
- 最大通話人数: 15人
「PRO」から、スマホ連動による距離無制限通信やGPS、SOS機能を省き、純粋な「従来のバイク用インカムとしての使いやすさと最強の基本性能」を追求したモデル。
「通信距離は2kmあれば十分」「スマホをつねにテザリング状態にするのは面倒」という実利主義のライダーには、「NEO」がベストだろう。
【エントリーモデル】PILOT LITE(パイロット・ライト)


- 税込価格: 1万8,700円
- 通信技術: 独自Bluetooth「FLOW TALK」
- 特徴: ペアリング不要の「オープンモード」
2万円を切る圧倒的なハイコストパフォーマンスを誇るエントリー機。しかし、そこはRESOだけあって、単なる廉価版ではない。
新技術「FLOW TALK」により、面倒なペアリング操作をせずとも、インカム同士が近づくだけで自動的につながる「オープンモード」を搭載。ソロツーリングがメインだけどたまに2〜3人で走るライダーや、タンデム(二人乗り)での会話、インカムデビューのビギナーに最適。バッテリーも1400mAhと、クラス最高峰の容量を確保している点も見逃せない。
3機種の主要スペック比較表
| 項目 | PILOT PRO(プロ) | PILOT NEO(ネオ) | PILOT LITE(ライト) |
| 価格(税込) | 4万8,400円 | 3万3,000円 | 1万8,700円 |
| インターコム技術 | DuoSync | UniSync | FLOW TALK |
| 最大通信距離 | 無制限 | 2km 1:1 | 1km 1:1 |
| 最大同時通信人数 | 30人 | 15人 | 8人 |
| 最大連続稼働時間 | 13時間 (音楽+MESH) | 24時間 (音楽+MESH) | 24時間 (音楽+Bluetooth) |
| 本体サイズ | 88×50×23mm | 88×50×23mm | 76×46×20mm |
| 本体重量 | 66g | 66g | 44g |
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(編集協力:株式会社デイトナ)








