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HRCダカールラリー参戦マシンに新素材FORTENA採用 エフピコ開発の軽量・高耐久ウインドスクリーン

※記事内容は全て執筆時点の情報です。

株式会社ホンダ・レーシング(HRC)は、世界一過酷なモータースポーツとして知られるダカールラリーをはじめとする世界ラリーレイド選手権(W2RC)に参戦する二輪車「CRF450 Rally」に、株式会社エフピコが開発した新素材「FORTENA(フォルテナ)」製のウインドスクリーンを搭載することを発表した。

この協業は、2026年4月1日から2027年3月末までの期間、W2RCの計5レースで実施される。FORTENAは、既存のウインドスクリーンと比較して30g以上の軽量化と8,000kmの耐久試験をクリアする性能を持ち、極限の環境下で戦うライダーのパフォーマンスと安全性を支える。この革新的な日本の素材技術が、モータースポーツの最高峰の舞台でどのような活躍を見せるか、世界のモータースポーツファンやバイク愛好者から大きな注目を集めている。

目次

HRCとエフピコの挑戦:日本の技術が世界の舞台へ

世界のモータースポーツシーンで「Honda」ブランドの地位を確立しているHRCが、環境配慮型素材開発にも注力するエフピコと戦略的なスポンサー契約を締結した。この提携は、単なる資金提供に留まらず、エフピコが長年培ってきた高機能素材開発の技術を、HRCのラリーレイド用モーターサイクルに直接導入する画期的な試みである。
特に注目すべきは、2026年1月に開催されたダカールラリー2026において、すでにFORTENA製ウインドスクリーンがCRF450 Rallyに先行搭載され、その実力が証明された点だ。砂漠の過酷な環境下では、砂塵や強い日差し、高速走行時の風圧がウインドスクリーンに大きな負担をかける。こうした状況でライダーの視界を確保し、安全を守ることは、レースの勝敗を左右する重要な要素である。HRCとエフピコのこの挑戦は、日本の素材技術が世界のトップレベルで通用することを示す象徴的なプロジェクトと言える。

「FORTENA」が変えるウインドスクリーン革命

FORTENAは、エフピコが開発した新OPPシート「OPTENA(オプテナ)」を積層して作られた、二軸延伸ポリプロピレンプレートである。二軸延伸ポリプロピレンプレートとは、プラスチックフィルムを縦と横の二方向に引き伸ばすことで、強度や剛性を大幅に向上させた板状の素材を指す。この特殊な製法により、FORTENAは従来のウインドスクリーン素材であるポリカーボネートと比較して、圧倒的な性能を発揮する。

砂漠でバイクに乗っているレーサーの画像。バイクは空中にあり、ライダーはヘルメットをかぶっています。
砂漠の広大な砂丘をジャンプするHRCのラリーバイク

圧倒的な性能:なぜダカールラリーで選ばれたのか?

FORTENAが既存のポリカーボネート製ウインドスクリーンを上回る主な特性は以下の通りである。

  • 低比重(現行品より30g以上の軽量化)
    モーターサイクルの軽量化は、運動性能の向上とライダーの疲労軽減に直結する。特にダカールラリーのような長距離、長時間のレースにおいては、わずか30gの軽量化でも、マシンの取り回しや加速性能、燃費効率に影響を与え、最終的なレース結果を左右する可能性を持つ。メーカーは「わずかな軽量化が、マシンの運動性能やライダーの疲労軽減に直結する」と説明している。

  • 耐傷付性(レース中の製品表面の外観向上)
    砂漠での走行は、飛び石や砂によるウインドスクリーンの傷が避けられない。傷が増えることでライダーの視界が悪化し、安全性が損なわれるリスクが高まる。FORTENAは高い耐傷付性を持ち、クリアな視界を長時間維持できるため、ライダーはより安全かつ集中してレースに臨むことが可能となる。

  • 高物性バランス(累計8,000kmの耐久試験でも割れ、クラック等発生なし)
    約8,000kmという距離は、東京からエジプトのカイロまでの距離に匹敵する。このような途方もない距離を想定した過酷な耐久試験をクリアし、割れやクラックが一切発生しなかったという事実は、FORTENAの極めて高い信頼性と耐久性を示す。これは、極限環境下でのライダーの安心感に直結し、メカニックにとってもメンテナンス負担の軽減に繋がる。

  • 成形加工性(二軸延伸プレートでありながら成形性に優れる)
    強固な素材でありながら、モーターサイクルの複雑なカウル形状に合わせて美しく成形できる加工性の高さも特筆すべき点である。これにより、デザイン性と機能性を両立したウインドスクリーンが実現可能となる。

ダカールラリーのバイク。ゼッケン9番、HONDA、Nicky Brabec、MONSTERのロゴが見える。
ダカールラリー2024に向けて準備されたリッキー・ブラベック選手のホンダCRF450 Rally

食品トレーから世界の舞台へ:エフピコの知られざる技術力

株式会社エフピコと聞くと、多くの人々はスーパーマーケットで使われる食品トレーを連想するだろう。しかし、同社は単なる食品トレーメーカーに留まらず、環境に配慮したリサイクル技術や、今回HRCに採用されたような高機能新素材の開発に積極的に取り組む、知られざる技術集団である。
FORTENAの開発成功は、エフピコの長年にわたる研究開発への投資と、新しいものづくりへの強い意志の表れと言える。同社は、世界初の超高剛性二軸延伸ポリプロピレンシートの開発成功、その製造機の正式発注、OPPフィルム積層機の発注、そして新工場・新配送センター建設といった一連の取り組みを通じて、技術革新に積極的に投資してきた。今回のHRCとのタッグは、こうしたエフピコの技術が世界のトップレベルで通用することを証明する絶好の機会を提供している。

透明なバイクのフロントガラス。上部に「DREAM. DARE. LIVE IT. Dakar 2020」と書かれた赤い長方形のステッカー、その下に「42」と大きく書かれた黄色いステッカーが貼られている。フロントガラスには「Adrien Van Beveren」と書かれたステッカーや「MONSTER」のロゴも見える。
ダカールラリー参戦マシンのフロントカウル

日本の技術が拓く未来の可能性

エフピコとHRCの協業は、単なるモータースポーツの話題に留まらない。これは、日本の素材技術が世界の最先端分野でいかに貢献できるかを示す、希望に満ちた事例である。
ダカールラリーという極限の環境で磨かれたFORTENAの技術は、将来的には自動車、航空宇宙、建設資材など、様々な産業分野に応用される可能性を秘めている。軽量で丈夫、そして環境負荷の低減にも寄与する新素材は、私たちの生活をより豊かに、より安全に変革する潜在力を持つ。
エフピコは、「FORTENA」がHRCのラリーレイド活動にさらに貢献できるよう、今後も品質向上を目指していくと表明している。これからも、ダカールラリーをはじめとする世界ラリーレイド選手権でのHRCの活躍、そしてその裏で輝くエフピコの新素材「FORTENA」の進化に、バイクファンやモーターサイクル愛好者はぜひ注目すべきである。
エフピコの企業活動や素材開発に関する詳細は、同社の公式ウェブサイトで確認できる。

2人の男性がオートバイのレースの準備をしている様子。一人はヘルメットをかぶり、もう一人がヘルメットに手を添えている。バイクには「HONDA」や「MOTUL」のロゴが見える。
HRCチームのライダーとメカニック

リリース提供元:株式会社エフピコ

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