ネオレトロなスタイルで人気を集めるヤマハのXSRシリーズに、新たなモデルが加わる。2026年6月30日に発売される「XSR155」だ。
XSRシリーズは、125cc、700cc、900ccと幅広い排気量を展開しているが、今回登場するXSR155は、その中でも少し独特な立ち位置にある。
155ccと聞くと、バイクに詳しい人ほど「少し中途半端では?」と感じるかもしれない。125cc以下なら原付二種として維持費を抑えやすく、250ccなら高速道路での余裕も大きい。つまり、排気量だけで見れば、155ccはどちらにも振り切っていないように見える。
しかし、XSR155の魅力はまさにその“振り切りすぎていない”ところにある。125ccクラスに近い軽さと扱いやすさを持ちながら、自動車専用道路や高速道路も走ることができる。毎日の街乗りは気軽に、週末は少し遠くまで。そんな使い方にちょうどいい一台なのだ。
このXSR155の発売に先立ち、メディア向け発表会が開催された。会場では、車両開発に携わったメンバーによる解説や、ライフスタイルブランドとのコラボ車両の展示も行われた。

“ファッショナブル”と“乗って楽しい”を両立した一台
XSR155のコンセプトは、「ファッショナブル」×「乗って楽しい」の二刀流である。
日本の二輪免許取得者は、10代〜20代の若い世代も多い。そんなライダーたちが、バイクを特別な乗り物として構えるのではなく、服やギアを選ぶように、自分らしさを表現するものとして楽しめるように開発されたのがXSR155だ。
デザインは、XSRシリーズらしいシンプルでクラシカルな雰囲気を持つ。派手に主張しすぎないため、乗る人の服装やライフスタイルにもなじみやすい。街中で普段着のように乗れる一方で、ツーリング先でもしっかり絵になる。ここがXSR155らしい魅力だ。

また、軽量で扱いやすい車体も大きなポイント。近い排気量のXSR125と同じ車重でありながら、155ccであるXSR155は高速道路や自動車専用道路を走ることができる。もちろん、250ccクラスのような高速巡航の余裕を求めるモデルではない。だが、「走れる場所が増える」という意味では、125ccとは大きな違いがある。
たとえば、気になっていた絶景ロードへ行く。少し離れたキャンプ場まで走る。下道だけでは時間がかかる場所へ、自動車専用道路を使ってアクセスする。そうした“あと少し先へ行ける自由”を持っているのが、XSR155という排気量の面白さなのだ。
125ccの気軽さに、もう少し先へ行ける余裕をプラス
125cc以下の原付二種は、維持費を抑えやすく、街乗りでも扱いやすい。これは大きなメリットである。一方で、高速道路や自動車専用道路を走ることはできない。
250ccクラスは、高速道路での余裕があり、ツーリング性能も高い。ただし、車体サイズや重量、価格面で少しハードルを感じる人もいるだろう。
その中間にある155ccは、数字だけを見ると中途半端に思えるかもしれない。しかし見方を変えれば、125ccクラスの気軽さをベースに、行動範囲を広げるための余裕を足した排気量ともいえる。
大きすぎない。重すぎない。けれど、行ける場所は広い。XSR155は、初めてのバイクとしても、セカンドバイクとしても、日常と遊びの境目をゆるくつないでくれる存在だ。

エンジンは、155cc水冷・SOHC・4バルブ・FIユニットを搭載する。特徴的なのは、VVA(Variable Valve Actuation=可変バルブ)を採用していることだ。
VVAは、低速域と中高速域で吸気バルブの作動特性を切り替える機構である。発進や街乗りでは扱いやすく、速度が伸びる場面では気持ちよく加速する。小排気量モデルで気になりやすい「もう少し伸びてほしい」という場面でも、ストレスを抑えてくれる仕組みだ。
ミッションは6速。街中から郊外路、ツーリング先のワインディングまで、道路状況に合わせて細かくギアを選べるのも魅力である。
さらに、A&Sクラッチも採用されている。クラッチレバーの操作を軽くし、シフトダウン時の急なエンジンブレーキも抑えてくれるため、ビギナーでも扱いやすい。日常的に乗るバイクだからこそ、こうした小さな扱いやすさは大きな安心感につながる。
※ 「A&S」「アシスト&スリッパー」は株式会社エフ・シー・シーの登録商標




ライフスタイルブランドとコラボしてその世界観を演出

発表会では、XSR155の世界観をより分かりやすく表現するため、外遊びのスタイルを提案する「HAPPY OUTSIDE BEAMS」とのコラボ車両も展示された。
バイクは、単なる移動手段ではない。お気に入りの服やキャンプ道具、日常で使うギアと同じように、自分の好きなものを表現するためのピースでもある。XSR155は、そうした価値観と相性がいい。
コラボ車両は販売予定のないコンセプトモデルだが、XSR155が持つ“ファッションとしても楽しめるバイク”という方向性を分かりやすく示していた。今後、メディアやイベントなどで展示される機会もありそうだ。
気になるなら、まずはレンタルで体感してみるのもあり
XSR155は、ヤマハバイクレンタルにも順次導入される予定だ。購入前に実際のサイズ感や扱いやすさを試せるのはうれしいポイントである。
155ccという排気量は、カタログの数字だけでは魅力が伝わりにくい。だが、軽い車体を押し引きしたり、街中で走らせたり、自動車専用道路を使える自由を想像したりすると、この排気量ならではの良さが見えてくる。
125ccでは少し物足りない。でも250ccほど大きなバイクでなくてもいい。そんな人にとって、XSR155はかなり現実的で、しかも少しワクワクできる選択肢になりそうだ。
なお、レンタル利用後に車両を購入する場合、レンタル利用料金を車両購入代金の一部としてサポートする購入プランも用意される予定とのこと。気になる人は、まず実車に触れてみるのがよさそうだ。
車両のスペックなど詳細は、以下の記事でチェックして欲しい。







