
春のツーリングシーズンが本格的に始動する時期となりました。
長かった冬眠期間が明け、久々に愛車をガレージから出してメンテナンスを始める人も少なくないかもしれません。
では、オイル交換の手間を省くために、減ったオイルに新しいオイルを継ぎ足すだけで済ませても大丈夫なのでしょうか。
オイルの継ぎ足しでは性能は回復しない

春は、長期間乗っていなかったバイクのメンテナンスをおこなう人が多い時期です。
その際、エンジンオイルが減っていることに気づき、手間や費用を省くために新しいオイルを継ぎ足すだけで済ませようと考える人も少なくないかもしれません。
しかし、この行動はバイクに悪影響を及ぼしかねません。
古いオイルの中には、エンジン内部の金属部品が激しく擦れ合って発生した微細な金属粉のほか、ガソリンが燃焼する過程で生じたすすや、カーボンなどの汚れが蓄積しています。
また、エンジンの高温に長期間さらされたり外の空気に触れたりすることで、オイルは時間の経過とともに酸化して劣化が進行していきます。
新しいオイルを継ぎ足しても、古いオイルと混ざるだけで性能は十分に回復しません。
潤滑性能が低下したまま高い負荷をかけて走行を続けると、エンジン内部の金属部品同士が直接擦れ合い、摩耗を急速に早めるおそれがあります。
さらに、最悪の場合はエンジンの焼き付きといった深刻な故障を引き起こし、多額の修理費用が必要になるリスクも潜んでいます。
本来のエンジンオイルの性能を正常に発揮させるためにも、適切なタイミングで全量を抜き取って交換する必要があるというわけです。
異なるオイルを混ぜるとトラブルの原因になることも

また、種類が異なるオイルを混ぜて使用することにも注意が必要です。
バイクのエンジンには大きく分けて2ストロークと4ストロークという異なる構造があり、それぞれ専用のオイルが販売されています。
2ストローク用のオイルはガソリンと一緒に燃えやすく、エンジン内部に燃えカスが残りにくいように成分が調整されているのが一般的です。
一方、4ストローク用のオイルはエンジンの高温に長期間耐え、潤滑性能を安定して維持できるように設計されています。
このように、両者はまったく異なる役割と特性を持っているため、混ぜて使用すると異常な燃焼や潤滑不足を招き、走行不能などの深刻なトラブルに直結しかねません。
また、手元に余っている別の銘柄のオイルを現在入っているオイルに混ぜて使いたいと考える人もいるかもしれません。
基本的に、同じ用途で作られた4ストローク用のオイルであれば、異なる製品を混ぜてもすぐにおおきな故障が起こるわけではありませんが、各メーカーのエンジンオイルは、単独で使用した際にもっとも高い性能を発揮できるように緻密に配合されています。
異なる製品を混ぜ合わせることはメーカー側も想定していないため、オイルが持つ本来の性能のバランスが大きく崩れてしまうおそれがあります。
くわえて、それぞれのオイルの中に含まれる清浄剤や防錆剤といった化学添加剤同士が反応を起こし、予期せぬ悪影響を及ぼすリスクも否定できません。
結果として、燃費が悪化したりエンジンの回転がスムーズに上がらなくなったりと、バイクが最大限のパフォーマンスを発揮できなくなる可能性があることを念頭に置くとよいでしょう。
まとめ
バイクの性能をしっかりと引き出し、出先での予期せぬトラブルを未然に防ぐためには、古いオイルを全量抜き取ってから新しいオイルに交換することが推奨されています。
本格的なツーリングシーズンを迎える前に、新しいエンジンオイルでバイクの内部をリフレッシュし、今シーズンの安全運転に備えるとよいかもしれません。
「継ぎ足しで済ませる」のではなく、定期的な交換がバイクを長持ちさせるポイントです。








