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「魔のカーブ」に定義なし!ライダーが心得ておく危険なカーブの特徴 5選

※記事内容は全て執筆時点の情報です。

「魔のカーブ」に定義がない!?

魔のカーブ」とは事故、衝突、転倒などマイナスイメージがあり事故が多い場所として俗称的に使われるフレーズですが、困ったことに「具体的な定義が無い」と言われています。

今回は「魔のカーブ」の特徴をいくつか挙げてみます。初心者~中級者の方はツーリングの参考に、ベテランライダーの皆様は「ツーリングあるある」と思っていただければ幸いです。では、どのようなカーブに危険が潜んでいるのか細かく紹介していきましょう。

目次

①見通しのきかないカーブ(ブラインドカーブ)

道路形状や障害物などによって見通しのきかないカーブ(ブラインドカーブ)は、前車や対向車の早期発見が困難であることから危険なカーブの典型例となっています。

このような場所は山道や峠の印象が強いですが、市街地のビルや看板等も死角をつくります
私たちにとって「魔のカーブは日常生活の一部に潜んでいる」といっても過言ではありません。

見慣れた街並み。どこかに魔のカーブがあるかも。

対処法 「ブラインドカーブはハンドルで曲がる。」

完全にハンドルで曲がることはある意味不可能なのですが、ハンドル操作を感じることが出来るスローペースで走ることで不測の事態にも対応できるのです。一方、勢いに任せたり、力まかせに車体を傾けたりすると事故の可能性が高くなります。ライディングテクニックは使いどころを誤ると「反動」によるアクシデントを招いてしまうのです。

私の小言

 「潜在的危険」・・・見えていない危険という意味。駐停車車両や歩行者等はもちろん、落石や落下物等はライダーにとって大敵です。転倒リスクを考えた運転をしましょう。 

②やっぱり危ない「下り坂+カーブ」

そもそも人が走るときは「地面を蹴る」ことで前へ進む力が大きくなり、直線的に速く走ることが出来ますが、それを下り坂で行うことをイメージしてみましょう。

下り坂を「全力で走る」という事を想像すると、次のような危険が容易に考えられると思います。

  • 止まれずに 転倒 
  • 曲がり切れず 転倒
  • 靴底がスベって 転倒
  • 足をつまづいて、前方に身体が転がって 転倒

そこで、これらをバイクに当てはめると・・・

  • ブレーキのタイミングが遅れて止まれない
  • 道からはみ出してしまうオーバーラン
  • 路面で滑ってしまいスリップダウンする
  • タイヤが摩擦の限界を超えてグリップ力を失う

というようにイメージが湧きやすいのではないでしょうか。

対処法 「視野は広く、速度控えめが最適解」

下り坂が続く道路を走る時は、直線部分を見つけて極力速度を落とすことに心がけることが大切ですが、ただ単にブレーキをかけてゆっくり走るのではなく、スロットルを使って走行スピードを調整できるぐらいの速度なら、コントロールの幅がより広がると思います。

「!」のラインは早めにイン側についてしまうことで、カーブ後半に大回りになりやすくなるかも。一般公道を走るための技術とは……

また、下りは目線が近くなる傾向があるので車道の幅と奥行の観察が不十分になりがち。カーブに対して早期に身構えてしまう体勢を作ってしまうと、コーナーのインからアウトへ進むコースになり、反対車線へのはみ出しや、カーブ出口付近でのオーバーラン(ガードレールと接触)という走行ラインになってしまう場合があります。車体の傾きを抑えることができ、余裕のある走行ラインを見抜き、ブレーキ操作をより丁寧に行うと良いでしょう。

また、運転中は道路の「勾配」が解り難いという事も原因の一つにあげられます。特に緩やかに下りはじめる坂道は、想像以上に勢いがついてしまうこともあります。下り勾配の道路には、道路環境(うねり・わだち・ひび割れ)に対する高い観察スキルが求められます。

私の小言

カーブを通過するときの走行位置の取り方を「アウト・イン・アウト」と称することがあります。しかし、一般公道においては万能というわけではありません。場所によっては「最短距離でカーブを曲がる=速度が速くなる傾向」になり、緊急回避ができなくなる恐れがあります。

バイクが安定する前提

スロットルを開けると駆動力(トルク)が発生し、車体が前に進もうとする力が働く。
このとき、車体の重心が後ろへ移動するため、リアタイヤに荷重が多くかかり、結果として

・リアタイヤの接地圧が高まる
・トラクション(グリップ)が増す
・車体が安定しやすくなる

という効果が生まれる。これは特に低速走行時やコーナリング中に顕著に効く。

下りのコーナーの危険性・オーバースピードで大回りする理由

そもそも下り坂はスピードが出やすいため、バイクが安定する条件となる「駆動力=スロットルを開ける」ことが難しい。

  1. これ以上速度を出すわけにいかないので、コーナーリング中にスロットルを閉じる傾向が強まる。
  2. すると荷重がフロントに多くかかり、フロントのグリップのみで曲がっていくことになる。
  3. この状態でフロントブレーキをかけたら、フロントタイヤのグリップの限界を超えてスリップダウンしそう。慣れてないライダーは「すげー怖い!!」となる。
間違った対処①

シートの後ろ側に座るなどしてフロントの荷重を少しでも抜こうとする。腕が伸びてハンドルの動きを殺してしまう。結果、バイク本来の舵角をころしてしまい曲がれない → THE END💀

間違った対処②

フロントブレーキを強くかけるとスリップダウンしそうだから、と考えて〝かるーく〟フロントブレーキをかける。するとバイクは直立してくる。結果的にバイクは大回りをすることに → THE END💀

どうするのか

下りの直線部分で、自分が安心してスロットルを開けて曲がれる速度まで減速しておく。

③舗装の「うねり」「わだち」「割れ」

山道や峠道、ワインディングが続く快走路は気持ちよく走れる反面、アスファルト舗装の劣化に注意しなければなりません。特に初めて走る道を要領をつかめないまま勢いに任せて走ると、路面のうねりやヒビ等によりハンドル操作を失うことも考えられます。

対処法 『みる』トレーニングを試そう

バイクに限りませんが、運転操作への意識が集中しすぎると、交通ルールやマナーへの配慮が薄れがちになり、舗装路面のうねりや段差、バンクした道路形状を観察せずに走ってしまうことがあります。

観る…事例などを事前に把握する
見る運転中の実践的な観察
診る反省、深掘り、セルフチェック

というように、普段よく走るツーリングルートにおいて、その特徴や道路形状を把握しながら運転してみましょう。走り慣れた道路こそ良い練習場所です。初めは雲をつかむような気持でも、タイヤが滑る、浮く、振られる等、車体の挙動を絞って考えると、いずれ方法は見えてくるはずです。

④カーブの半径が途中で変化(複合コーナー)

「複合カーブ」とは一つのカーブにおいて、カーブ途中で、半径や曲がり方が変化する道路の事を指します。峠道のワインディングや高速道路のランプウェイなどもこの「魔のカーブ」ともいえる形状になっている場合が多いかもしれません。

カーブ途中で曲がり具合が変わる(融和曲線型)

カーブの入口は緩やかに曲がりはじめ、進む(出口に向かう)につれてカーブ半径がシャープ(きつくなる)になる特徴があります。このような形状は、カーブへ侵入する際は「比較的緩やかなカーブ」と感じてしまうことがあるので、判断を間違えてオーバースピードでカーブに飛び込むと、曲がり切れずに事故につながってしまいます。

Sの字型

山道、峠道に多く、体重移動や速度調節等、必然的に運転操作が忙しくなる傾向があります。「それがバイクの醍醐味」とも言えますが、湧き水や砂だまり、動物の飛び出し等、予期せぬアクシデントに注意しつつ、運転のリズムを崩さないようにしましょう。

逆バンク等に変化するカーブ

逆バンクを「見抜く力」はベテランへの第一歩かも?

カーブの形状が、途中から逆バンク状(路面が外側へ傾斜している)に変化する形状をいいます。さらに、濡れた路面や路面温度が低い等の条件が揃うと、よりタイヤが滑る可能性が高くなります。


対処法 「事故しないライダー」の特徴を知る

運転操作が遅れて「ヒヤリ」と感じたり、「ハッ」として慌てた操作になった……このような「ヒヤリハット」を記憶することを怠ってはいけません。また、ライディング技術の体得のため、多くのライダーがサーキット走行やライディングスクールで「自分の限界」「マシン性能の臨界」に触れることで、「これは危ないかも」と気づけるようになり、「やめる」判断力を飛躍的に向上させています。

まとめ

全国には様々な事故多発場所があります。今回は「よくありがちな魔のカーブ」の特徴をご紹介しました。秋から冬にかけてツーリングシーズンが始まっていますが、「魔のカーブ」を察知する観察眼や自制心を整えて、バイクライフを楽しみ続けたいですね。

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