ツーリングシーズンになると、家族でのバイク旅を検討するライダーもいるかもしれません。
特に、子供を後ろに乗せて一緒に風を感じながら走りたいと考える保護者も多いようです。
しかし、バイクの後部座席に子供を乗せるには、年齢や装備、安全性など、守るべきルールや注意点があります。
では、具体的にどのような点に気を付ける必要があるのでしょうか。
子供とのタンデム走行に必要な準備と確認ポイント

子供を持つライダーの中には、子供を後ろに乗せて出かけたいものの、何に気を付ければよいのかわからない人もいるのではないでしょうか。
中には、子供をタンデムシートに乗せるとき、同乗者の年齢制限がないのか気になる人もいるかもしれません。
二人乗り走行では、後ろに乗る人には年齢制限はない!
じつは、道路交通法では後部座席に乗る者の年齢制限は明記されていません。
とはいえ、バイクに同乗させるときには、安全のためにも身体の動きが安定しており、運転者との意思疎通がしやすく、ステップに足が届く必要があります。
自分の子供がバイクの同乗に耐えうるかは、このような点を基準に考える必要があるといえます。
また、同乗者のヘルメットの着用は義務であり、子供に合ったサイズのヘルメットを用意できるかも重要なポイントとされています。
もしサイズの合っていないヘルメットを子供に与えると、走行中にずれたり脱げたりするため、危険です。
子供をバイクに同乗させるかどうかは、年齢ではなく、身体的な成長や環境面から総合的に判断することが大切です。
ライダーは、自分やバイクが二人乗り走行できるか確認する必要がある
子供を乗せる場合に限らず、二人乗りをするときは、ライダー自身が二人乗りに必要な条件を満たしていなければなりません。
道路交通法では、普通自動二輪免許または大型自動二輪免許を取得してから1年未満の者は、一般道、高速道路での二人乗り走行が禁止されています。
さらに、高速道路や自動車専用道路では、免許取得から3年未満かつ20歳未満の者も二人乗り走行不可とされています。
仮に、250cc以上のバイクであっても、条件を満たしていなければ違反になります。
加えて、バイク本体にも二人乗り走行用の設備が備わっていることが必要です。
具体的には、二人乗りに対応したシート、ステップ、グラブバーなどの装備が標準で備わっている車両であることが求められます。
子供とバイクで出かけるときは、事前に免許要件と車両装備の両方が適合しているかの確認を必ずおこなう必要があります。
二人乗り走行するときに、ライダーと同乗者が注意したほうがよいこと
二人乗り走行を快適におこなうには、ライダーと同乗者の連携が欠かせません。
まず、発進や停止の際には合図を送り、スムーズな動きができるように配慮することが大切です。
また、急発進や急ブレーキは避け、同乗者の姿勢が安定してから動作を開始するようにしましょう。
そして、段差や凹凸、信号待ちなどの場面でも、事前に声をかけるなどの配慮が求められます。特に停止時には、車体の傾きに注意し、両足でしっかり支えることが重要です。
このほか、ツーリングが長距離になる場合は、1時間から1時間半ごとに休憩をとり、疲労を防ぎましょう。
直線だけでなく、カーブや坂道でも普段より慎重な操作が求められます。
カーブでは緩やかな旋回を意識し、坂道では適切なギア操作やブレーキ配分に注意を払いながら、安全に走行できるよう心がけましょう。
首都高速道路での二人乗り走行は「二人乗り規制」に注意する必要がある

一般道とは異なり、高速道路や自動車専用道路では、二人乗り走行に対して特別な規制が設けられています。
まず、上述の通り二人乗りに必要な免許保有歴や年齢制限が一般道での二人乗りよりも厳しく設定されています。
また、首都高速道路を利用する場合は、ほかの点に注意を払う必要があります。
実は、首都高速の一部区間では、二人乗り走行そのものが禁止されており、条件を満たしていても通行できない場所が存在します。
具体的には、都心環状線や一部の放射線道路などが該当します。
これらの区間では、二人乗り走行による視認性や操作性の低下が事故につながるおそれがあることから、規制が設けられているといわれています。
こうした規制区間には、入り口の手前に「二人乗り禁止」と明記された標識が設置されているため、見落とさないよう注意が必要です。
標識を見落として進入してしまうと、定員外乗車として交通違反になる可能性があります。
まとめ
子供をバイクに乗せてツーリングを楽しむには、法律上の条件を満たすだけでなく、安全性や装備面にも十分な配慮が求められます。
特に高速道路や都市部では、規制区間の確認が不可欠です。
親子での時間を安全に楽しむためにも、事前の準備を入念におこない、慎重な運転を心がけましょう。








