「家族間でETCカードを貸し借りすれば、新たにカードを申請する手間を省けるのでは」と考える人も少なくないかもしれません。では、家族や友人間でETCカードを貸し借りしても問題ないのでしょうか。
他人間でのETCカード使い回しはNG

ETCカードの追加申請には手間がかかるため、家族間での貸し借りを検討する人も少なくないでしょう。
確かに、その行動で申し込み書類の作成や、審査を待つ時間を短縮できる場合があります。
しかし、ETCカードはクレジット契約に紐づくのが一般的です。
規約では名義人本人だけが使用できると規約で定められており、家族や友人との貸し借りをおこなう行為は、契約違反と判断されるおそれがあるといいます。
そして、名義外で利用すると不正使用が疑われ、カード会社から利用停止措置を受ける場合があるようです。
最悪の場合、帰路で料金所を通過できず、立ち往生する事態に発展する可能性も否定できません。
そもそも、ETC割引は車種区分や走行履歴に基づいて適用されるため、名義不一致では割引が無効になるケースがあります。
さらに、規約に反すると利用停止やポイント失効、さらには信用情報への影響が懸念されます。
また、未払いが発生すると延滞金の請求は名義人に届き、家族や友人内で金銭トラブルへ発展する可能性もあります。
他人のETCカードを使用することで生じるリスクは、これにとどまりません。
たとえば、走行履歴が他人に伝わることでプライバシーが損なわれ、移動の行動パターンが推測されるリスクも考えられます。
さらに、事故や故障で道路会社のサポートを受ける際、名義不一致が露見すると手続きが長引く恐れがあります。
盗難や紛失が発覚した場合は名義人が被害届や再発行手続きをおこなう必要が生じ、精神的負担も無視できません。
とはいえ、同一人物が所有するクルマを他人が運転する際に、車両に装着された当人名義のETCカードを利用する行為は、規約違反とはみなされていません。
このケースでは、カードと車両の契約情報が一致していることになります。
このため、道路会社のシステム上も不正利用とは扱われないのが理由とされています。
ただし、料金精算や事故対応の責任はあくまで名義人が責任を負うため、事前に合意をとり、利用履歴を共有しておくことが望ましいでしょう。
まとめ|ETCカードの貸し借りはリスクだらけ
ETCカードを家族や友人と共有すれば手間は省けますが、名義人以外の利用は規約違反となる可能性が高く、割引の無効やカード停止など多くのリスクを伴います。
プライバシー侵害や金銭トラブル、緊急時の対応遅延などのデメリットを避けるためにも、自身の名義で正しく申請し、安全に運用することが重要です。








