バイクを買ったら“次に欲しいモノ”の筆頭にあがってくるのがバイク用インカム。いわゆるBluetoothインターコムだ。複数人でのマスツーリングやタンデムライドのインカム通話はもちろん、ナビの音声を聞いたり、スマートフォンなどの入っている音楽を聞いたり、電話したりすることも可能。ただライダーによってバイク用インカムの使い方は千差万別。“マスツーリングすることが多く、大勢の仲間との会話がマスト”というのであれば、B+COM SB6XRのような通話人数の多いハイエンドなモデルが必要になる。
一方、“ソロで走ることが多く、たまに他のライダーと走ったり、パートナーとタンデムすることがある……”なんて人も意外と多い……というか圧倒的多数ではないだろうか? そんなソロツーリングがメインのライダーにおすすめしたいのがB+COM TALK(ビーコム トーク)だ。今回はこのサインハウスのバイク用インカム『B+COM TALK』のソロツーリングライダー目線で紹介させてもらおう!

文:谷田貝 洋暁
写真:関野 温
税抜で2万円を切るビーコム トークはとにかくリーズナブル!!

サインハウスのバイク用インカムB+COMシリーズには用途に合わせていくつかの種類があり、ハイエンドモデルであるSB6XRがシングルUNITで4万7300円(税込)ほどするのに対し、『B+COM TALK』は単体で2万1780円(税込)という半値以下のリーズナブルな価格を実現している。
これには、SB6XRには両方同梱されているワイヤーマイクとハイブリッドアームマイクを別々にして、『ワイヤーマイクUNIT』と『ハイブリッドアームマイクUNIT』としたり、SB6XRのハイスペック過ぎる機能を一部シンプルにして価格に反映。ちなみに『B+COM TALK』の場合、『ワイヤーマイクUNIT』も『ハイブリッドアームマイクUNIT』も税込2万1780円だ。

どのあたりの機能がシンプルになっているかというと、Bluetoothチップを2つではなく1つにしたことや、グループ内で同じ音楽を共有したりするグループシェア機能などが省略されている。

このあたりの機能はマスツーリングには必要となるかもしれないが、ソロツーリングではあまり使わない機能。つまりは『B+COM TALK』はソロライダー向けに機能をスリム化したバイク用インカムというワケ。機能全部入りのハイスペックモデルもいいが、使わない機能が削ぎ落として価格が半分以下になるのなら万々歳。
しかもそれが信頼のサインハウスのB+COMシリーズで2万1780円(税込)だというのだから、これほどうれしいことはない。

コンパクトなビーコム トークはヘルメットを選ばない!

実際手にして驚くのは『B+COM TALK』の小ささだ。筆者も普段はB+COMのSB6X(旧モデル)を使っているのだが、比べてみると『B+COM TALK』はシリーズの中でもずいぶんとコンパクトで薄型化が図られている。

オープンタイプのクラシックなヘルメットなどは帽体が小型のモデルも多く、ちょっとサイズ的にバイク用インカムが合わないようなモデルもあるが、コンパクトな『B+COM TALK』ならクラシカルなジェットヘルメットの雰囲気も損ねにくい。

また個人的に気に入ったのは配線の少なさで、『B+COM TALK』は本体から伸びる配線が1本だけなのだ。しかもこのUSB Type-Cソケットは充電ポートも兼ねており配線の取り回しがシンプルなのがいい。



ビーコム トークは最大3人通話が可能

『B+COM TALK』の最大通話人数は3人。『B+COM TALK』同士で3人通話ができるのはもちろん、他のB+COM製品を1台加えての3人通話も可能。試しにSB6X(旧モデル)を繋げてみるとしっかり通話できることが確認できた。
またハイスペックなモデルに比べると他社製Bluetoothインカムと繋げられるユニバーサル接続機能が省略されているが、ソロツーリングメインならこの機能の出番もやはり少ない。僕自身、もう何年もバイク用インカムを使い続けているが、ソロツーリングばかりで製品テスト以外でこの機能を試したことがないくらいだ。

ビーコム トークをソロツーリングで実際に使ってみた!

こうなると気になるのは『B+COM TALK』の実際の使い勝手。特に知りたいのはコンパクトになったことによる連続使用時間の減少がどれくらい使い勝手に影響するのか? というところ。ハイスペックなSB6XRが最大約24時間、ONEで最大約20時間であるところを、『B+COM TALK』Kは最大約12時間となっており、SB6XRに比べると半分である。ただこの数値はインカム通話をした場合の時間でソロツーリングでの使用環境ではない。
今回は、ちょうど1泊2日で500kmほどのツーリングに出かける機会があったので『B+COM TALK』を持ち出してみたのだが、バッテリーのもち具合への不安も杞憂に終わった。ツーリング中はフル充電の状態からスマートフォンとナビを接続し音楽とナビ音声を常時聴き続け、たまに電話をする……的な使い方をしてみたのだが、2日間(実質的な走行時間は10時間ほど)使っても電池残量は80%以上残った。ソロツーリングでの使用環境なら『B+COM TALK』は十分過ぎるほどのバッテリー容量を持っていることがわかった。

またツーリングでは高速道路を長時間走ることになったがボリュームを上げれば音量不足を感じることもなく、B+COMらしい良質な音質を楽しめた。繰り返すようだが筆者のバイクの使用環境は日々の移動とソロツーリングがメイン。『B+COM TALK』ぐらいの機能及び性能がピッタリ。こんな価格と性能のバランスのとれたちょうどいい機能のバイク用インカムを待っていた。

B+COM TALK 詳細スペック
『B+COM TALK』
●価格:2万1780円(税込)ハイブリッドアームマイクUNIT/ワイヤーマイクUNIT
●本体サイズ:W93.9mm × H39.4mm × D25.4mm
●本体重量:36g
●充電時間:約2時間
●防水性能:IP67相当
●保証期間:購入から1年間
●スピーカー:外径φ40mm × D10.5mm ネオジムマグネット インピーダンス32Ω
●連続使用時間:最大約12時間
●インカム通話可能人数:最大3人※
※:B+COM TALK同士の接続の場合およびSB6XR/SX/ONE/SB6Xのインカム通話可能人数です。SB5X(タンデムのみ)/SB4X/SB4X Liteとの接続の場合は最大2人。
(編集協力:株式会社サイン・ハウス)








