クルマを運転していると、道路にひし形や矢印などのマークが描かれているのを見かけます。
ドライバーの中には、これらのマークの意味をあまり知らない人もいるかもしれません。
では、これらのマークにはどのような意味があるのでしょうか。
マークは規制や道路の状況、通行方法を示す「標示」

道路には、ひし形や矢印、斜線などが描かれているのを見かけることがあります。
これらのマークは、「道路標示」といわれており、規制や通行方法などをドライバーに伝える役割があります。
とくに見かけることが多い標示が、白いひし形のマークが二つ並んでいるものです。これは、まもなく横断歩道や自転車横断帯があることを示しています。
ドライバーは、この標示がある付近では歩行者や自転車の飛び出しに備え、スピードを落とすことが求められる場所とされています。
このほか、三角が二つ並んでいる標示もあります。
この標示は、交差点などで前方の道路が優先されることを意味しています。
そのため、この標示があるときは一時停止や徐行などをして、他の車両の進行を妨げないようにしなければなりません。
優先関係を誤認してしまうと接触事故につながるおそれもあるため、交差点付近ではこの標示を見逃すことがないように注意が必要です。
また、急な坂道にあるカーブには、右向きの矢印が道路中央付近に描かれていることがあります。
この標示は、こう配の急な坂道や視界が悪いカーブなどで右側の車線を通行してもよいことを示しているものです。
ただ、右側を走らなければならないわけではないため、危険が少なければ左側車線を走行することを意識する必要があります。
そして、右側にはみ出すときは、対向車との接触リスクを避けるために、進行方向や交通状況をしっかりと確認しながら通行する必要があります。
このように、標示の意味を理解すると、より安全に運転できる場面が増えるかもしれません。
標示には「してはいけない」を示す規制標示も多い

道路に描かれている標示には、上述のような通行方法や注意点を示すもののほかに、禁止事項を伝える「規制標示」と呼ばれる種類も存在しています。
規制標示の一例としてよく見られるのが、黄色で描かれた30や50などの数字です。これは制限速度を示す、最も親しまれている規制標示のひとつといえそうです。
このほか、歩道の端などに描かれている黄色い実線も規制標示のひとつです。
これは「駐停車禁止」の意味を持ち、その区間ではクルマを止めてはいけないことを示しています。
交通量の多い幹線道路やバス停の付近などで使われることがあり、交通の妨げとなるのを防ぐための標示です。
また、似たような標示として、黄色い点線もあります。
この標示は「駐車禁止」を意味しており、駐車はできませんが、荷物の積み下ろしや人の乗り降りといった一時的な停車は認められています。
また、標示のなかには白い四角と斜線が組み合わされた「停止禁止部分」と呼ばれるものもあります。
この標示は、前方の交通状況によって自車がその範囲内で停止してしまうおそれがある場合には、標示の内側に進入してはいけないことを示しています。
警察署や消防署などの前に描かれることが多く、パトカーや消防車などが緊急時に交通状況に関わらず速やかに出動できるようにするための規制です。
ドライバーは、この標示の中で停止しそうな状況では、たとえ信号が青であっても手前で止まる判断が求められます。
規制標示を見落としてしまうと、駐車違反や通行違反として反則金や違反点数が科されるおそれがあるため、ドライバーは周囲の標示に注意する必要があると言えます。
このように、道路にはさまざまな標示があります。
標示の意味を理解しておくことは、罰則を回避するだけでなく、より安全な運転にも役立つといえそうです。
より安全に運転するために、標示の意味を理解し、標示に出くわしたときに適切に対応できるようにするとよいでしょう。








