バイクにはさまざまな専門用語がありますが、チェーンの「フリクションロス」もそのうちの一つです。では、フリクションロスとは具体的にはどのようなものなのでしょうか。
フリクションロスとは、摩擦抵抗によって損失しているパワーのこと

クランクシャフトやスプロケットなど、駆動系だけに絞っても、バイクにはさまざまな専門用語があります。
そして、「フリクションロス」もそのうちの一つです。
「Friction」は摩擦、「Loss」は失うという意味をあらわしており、その名の通り摩擦抵抗により損失しているパワーや性能を指しています。
一般的に、バイクやクルマにおいて特に注目されるのは、エンジン内部で発生するフリクションロスです。
実際、ヤマハのWebサイトにはエンジンのフリクションロスをいかに減らしていくかが、性能アップのカギでもあると記載されていました。
しかし、バイクの場合はチェーンがたるんでいたり、スプロケットが削れていたりするのも大幅なフリクションロスになるといいます。
チェーンは、エンジンから後輪へと動力を伝達する重要な役割を持っています。
しかし、この部分で摩擦が生じると、エンジンのパワーが効率よく後輪に伝わらなくなってしまうとされています。
チェーンでのフリクションロスが大きくなると、エンジンで発生したパワーの一部が無駄になり、結果として走行性能に影響を及ぼしかねません。
とくに、チェーンのメンテナンスが不十分な場合は、潤滑不足や伸び、汚れによって摩擦がさらに増加し、ロスも大きくなりやすい傾向があるとされています。
加えて、チェーンの劣化によるフリクションロスは、乗り心地にも悪影響を与える場合があります。
そのため、定期的な清掃や注油、必要に応じた張り具合の調整や交換が欠かせません。
チェーンに発生するフリクションロスは、エンジン性能に匹敵するほど走りに直結する要素ともいえそうです。
フリクションロスの改善には、定期的なメンテナンスが欠かせない

一般的に、走行距離が伸びるにつれて、チェーンは摩擦が増え、パワーロスや走行性能の低下を招きます。
こうしたトラブルを防ぐには、日頃からチェーンの状態をチェックし、必要に応じてメンテナンスをおこなうことが重要とされています。
まず、基本となるのが、チェーンオイルの注油です。
走行しているうちにチェーンに塗布されているオイルは飛び散ったり、汚れとともに落ちてしまいます。
オイルが不足すると金属同士が直接擦れ合い、摩擦が増加してしまうため、一定の走行距離ごとにチェーンオイルを補充し、潤滑状態を保つことが大切なようです。
さらに、チェーンのたるみもフリクションロスの原因になりえます。
チェーンは、走行による伸びが避けられません。
そのため、適切な張り具合を保つために定期的な調整が望ましいとされています。
チェーンがたるみすぎると、最悪の場合チェーン外れや破損につながるおそれがあるため、
取扱説明書に記載されている適正な遊び幅を参考にしながら、正しく調整することが求められそうです。
まとめ
ちなみに、最近では一般的なチェーンに加え、フリクションロスを抑えることを目的とした高性能チェーンも販売されているといいます。
これらのチェーンは、ピンやブッシュ、ローラーといった構成部品間の摩擦抵抗を低減する設計が施されており、スムーズな回転を実現できる点が特長のようです。
価格は標準品に比べて高価ではあるものの、こうした高性能チェーンを活用することで、さらにフリクションロスを軽減できるかもしれません。
バイクの走行性能や燃費をより高めたいと考えているライダーにとって、有力な選択肢のひとつといえるでしょう。








