バイクのチェーンから「ガリガリ」といった異音が聞こえてきた場合、何かしらの異常が発生しているサインと考えられます。では、この音を改善する方法はあるのでしょうか。また、そもそもどのような原因で発生しているのでしょうか。
チェーンの異音は、チェーン劣化のサインの可能性が高い

走行中、チェーンから謎の「ガリガリ」音が聞こえてきた……という経験のあるライダーも、少なくないかもしれません。
これを「少しくらい音が鳴っていてもあまり気にならない」と放置しておくと、バイクの駆動系全体にダメージを与えるおそれがあるといいます。
そのため、できるだけ早急に点検や対応をおこなうことが大切とされています。
そもそも、チェーンから異音が発生する原因としては、チェーンの潤滑不足やスプロケットの摩耗など、さまざまな原因が考えられますが、中でも「チェーンの伸びや劣化」が代表的な原因例として挙げられるようです。
一般的に、長く使用されたチェーンは内部のリンクが摩耗し、遊びが大きくなります。
これによってスプロケットとしっかり噛み合わなくなり、金属同士がぶつかるような音を出すことがあるそうです。
そして、「グリス(潤滑油)切れ」もよくある原因のひとつです。
潤滑が不十分になると、チェーンとスプロケットの接触面に摩擦が増し、摩耗や異音が発生しやすくなるといいます。
これらの問題は、チェーンの清掃・注油や張りの調整を定期的におこなっていても、避けられない経年劣化によるものも多いとされています。
そのため、目視点検とあわせて、定期的な部品の交換も検討する必要がありそうです。
異音の放置は安全運転に大きな影響を及ぼすおそれも

では、チェーンの異音を放置すると、具体的にどのような影響が生じるのでしょうか。
まず、エンジンのパワーが効率よく後輪に伝わらなくなり、フリクションロスが増加するおそれがあるといいます。
そして、その結果燃費が悪化し、加速力も鈍くなってしまう場合が多いようです。
さらに、摩耗やたるみが進行した場合、チェーンがスプロケットにうまく噛み合わなくなり、走行中にチェーンが外れる危険性もあるとされています。
チェーンが外れてしまうと、最悪の場合ホイールやスイングアームに引っかかり、車体がロックして転倒するおそれが考えられます。
加えて、金属疲労が進んだチェーンが走行中に破断するような事態になれば、ライダーだけでなく周囲の車両や歩行者にも、大きな危険を及ぼすことになりかねません。
こうしたリスクを避けるためには、チェーンから異音が出た段階で早めに点検をおこない、必要に応じて清掃・注油や調整、部品の交換をおこなうことが重要なポイントといえます。
安全で快適なバイクライフのためにも、異音を見逃さず、チェーンの状態をこまめに確認する習慣を身につけましょう。
まとめ
チェーンから異音がする状況以外でも、加速が重い、ガタつきを感じるといった何らかの異常を感じた場合は、早めにバイクショップで点検してもらうことが大切です。
自分で判断しにくい場合でも、プロに相談すればトラブルの原因を的確に見極めてもらえます。
そして、ショップではチェーンの清掃や注油、さらに張り具合の調整などを適切な方法でおこなってくれます。
小さな異常のうちに対応しておけば、燃費の悪化や重大事故を未然に防ぐことができるはずです。
なお、チェーンのたるみすぎや張りすぎは、どちらも走行性能や安全性に悪影響を与えるため、専門的な技術で正しい状態に整えることが望ましいとされています。
ちょっとした異常が後々大きなトラブルにつながる前に、信頼できる店舗で整備を受けるようにしましょう。








