電気もコンピューターも必要ナシ!最適な燃焼を得られるキャブレターの素晴らしさ!
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言うまでもなく、エンジンの燃焼にガソリンは必要不可欠だ。ガソリンはそのままでは燃えづらいので、空気と混ぜて霧化(むか)させて混合気として燃料室へと送る必要がある。その混合気を作り出すのが燃料供給装置の役目となる。
現在、日本において新車で販売されているバイクはほぼ100%FI(フューエルインジェクション)車である。F Iは、車速やエンジン回転、スロットル開度、吸気温、排ガスの酸素濃度などの各種センサーの情報を元にECUと呼ばれるコンピューターで解析し、最適な燃料噴射量を決めている。
これによって燃費は良くなるし、排ガスもよりクリーンに制御しやすくなる。しかし、FIが全てにおいて優れているかというと、話はそう単純ではない。
各種センサーやECUが必要になるという点で、生産コストは高くなるし、いざシステムが故障すると専用の診断機がないと修理は難しく、基本的にプロショップ任せになってしまう。現行機種はまだ良いが、この先数十年後、部品の生産が終わったり、ECUの規格が変わってしまえば修理やレストアは非常に難しくなるだろう。
アナログだから修理ができるし乗り続けられる!
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その点、キャブレターは部品があればいくらでも修理ができるので、乗り続けることができる。50年以上前の旧車を今でも普通に走らせることができるのもキャブレター車だからこそだ。
半導体も必要ないから現在のように新車の生産が滞ることなかったかもしれない……。
キャブレターのキモとなるパーツは「ジェット」
キャブレターはエンジン回転数に応じた吸入負圧とスロットル開度によって混合気の量を決めている。その計量を行うのが「ジェット」や「ニードル」だ。
キャブレター各部のジェットの穴を通過するガソリンや空気の量で、ガソリンの量を微妙に調整するため、ジェット類の精度は非常に重要である。
腐ったガソリンがジェットを詰まらせる
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ガソリンは鮮度が重要で場合によっては数ヶ月で腐ってしまう。腐ったガソリンは粘度を増してジェットの微細な穴を詰まらせて、始動不良や走行不調を引き起こす。
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また、ジェットは真鍮製で柔らかく、腐食や摩耗により穴が拡大してしまうこともある。そうなると、キャブレターの調子は一気に悪くなってしまう。
だが、ジェットを新品に交換してオーバーホールすれば、キャブレターはまた機能を取り戻すことができるのだ。しかし、肝心の部品が無ければ再生することはできない。
また、キャブレターのジェットのサイズ(番手と呼ぶ)はそのバイクごとや季節、マフラーやエアクリーナーなど吸排気の改造状態でも変わるので、できれば複数種類の用意があるのが理想的だ。
キャブレターパーツを生産する「キースター」
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車種専用でキャブレターのオーバーホールやセッティングに必要なジェット類と補修パーツをオールインワンのセットにした「燃調キット」。
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その燃調キットを製作・販売しているのが「キースター」だ。
完全日本生産の高品位なジェット類をリーズナブルな価格で提供しており、多くの旧車ファンや、サンデーメカニック、バイクショップから厚い信頼を得ている。
キースターの「燃調キット」その構成部品を実際のキャブの役割と共に解説!
キャブレターは始動時、アイドリング時、低速域(スロットル開け始め)、中速域(スロットル開度中)、高速域(スロットル開度大)で、それぞれ異なるジェットが役割を分担している。
メインジェット
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メインジェットは、通常走行時~全開走行時のガソリンの量を軽量しており、番手を変えることでセッティングを行うことができる。
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常にフロートチャンバー内のガソリンに浸っているので、劣化したガソリンの影響を受けやすく、長期不動車は交換が必要になることが多い。
また、マフラーをアフターパーツに交換したときは、メインジェットのセッティングが必要になることもある。
ジェットホルダー
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ジェットホルダーはメインジェットとキャブレターボディを接続するパーツだ。番手などは特に無く、燃調キットには1つ入っている。
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側面に小さな穴が開いており、そこが詰まりやすい。キャブレタークリーナーで詰まりが解消しなければ交換が必要になる。
ジェットニードル
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ジェットニードルはバキュームピストン(ピストンバルブ)の上下動に連動して、メイン系統の燃料を計量している。
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ジェットニードルはストレート径やテーパー角度の異なるものを使い分けることでセッティングを行うことができる。燃調キットには4本付属している。
メイン系統の部品はすべて含まれる
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ここまでで紹介した燃料のメイン系統を構成するメインジェット、ジェットホルダー、ジェットニードル、ニードルジェットの4つの部品はすべて燃調キットに含まれている。
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パイロットジェット
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主にアクセル開度の少ない状態=エンジンの吸入負圧が少ない状態の時に燃料供給を行うパイロットジェット。
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穴が汚れで小さくなるとスムーズな発進ができなくなったり、アイドリングが不安定になる。
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通路が細かいので汚れが詰まりやすいのがパイロットジェットだ。
パイロットスクリュー
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パイロットスクリューは、アイドリング時の混合気を供給している。
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先端がテーパーになっており、締め具合で供給量を調整する。
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スプリングとワッシャー、Oリングを組み合わせて使用するが、すべて燃調キットに含まれている。
パイロットジェットの先端は非常に細く、潰れたりすると途端に調子が悪くなる。また、サビで表面に凹凸ができてしまうとそれだけでアイドリングが不安定になるので新品に交換が必要だ。
ニードルバルブ
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ニードルバルブ(フロートバルブ)はフロートと連動し、燃料タンクからキャブレターに流れるガソリンの量を調節して常に一定に保つ働きをする。
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キースターのニードルバルブ(先端がゴム製のもの)は近年のガソリンに含まれるアルコールに強い「アンチアルコールニードル」で特許を取得している。純正に比べて長寿命かつ高耐久が見込めるのだ。
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ニードル先端のゴムが段付き摩耗したり、燃料タンクの錆が流れてきて挟まったりすると、燃料が止まらずにオーバーフローする原因となる。
欠かせないパッキン&Oリング類
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ジェット類を交換すればキャブレター性能は蘇るのだが、オーバーホール時に欠かせないのがOリングやパッキン類の消耗品だ。フロートチャンバーの合わせ面のガスケットが経年劣化で潰れてしまうと、ガソリンが滲んで漏れてしまう。
ガソリン漏れは車両火災に繋がりかねないので、必ず交換が必要だ。燃調キットにはしっかりと付属している。
また、各部にセットされるOリング類も重要な役割を果たしている。
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例えばパイロットジェットのOリングが切れたり、痩せてしまい機能を果たさなくなると、隙間から空気を吸ってしまい、これが低速時の不調を招く。
非常に小さな部品だが、何が大事で新品に交換する必要があるのか?それを理解しているキャブレターパーツのプロならではのキット内容となっているのである。
キットの内容は車種ごとに異なるので、ここで紹介したもの以外のものが含まれていることもある。
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初心者にもわかりやすいマニュアルが付属している。
これから価値がますます高まっていくキャブレター車
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高性能なFI車のニューモデルが次々に登場する一方、キャブレター車の中古車価格が軒並み急上昇している。絶対性能ではFI車に軍配が上がるが、人の感覚に近いアナログのキャブレターのフィーリングは非常に乗りやすく心地よいものだ。
また、キャブレターのメカメカしいデザインは機関がむき出しのバイクにとって、重要なデザインエッセンスとなっている。その魅力は今後も色あせることなく時を経るごとに深まっていくことだろう。
キャブレター車をこれからも末永く楽しみ、文化的価値を持つ数々の名車たちを後世に残すためにキースターの燃調キットが非常に重要な役割を果たしていくことは間違いない。
現在、燃調キットのラインナップは500機種以上!まずはホームページで自分の愛車用があるかどうかをご確認いただきたい!
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