【BrandPickup】
ドカティ伝統の空冷Lツインエンジンを搭載したスーパースポーツ「SS1000DS」は、乾式クラッチやオーリンズのフルアジャスタブルリアショックを純正採用するなど、走りを極めたモデルとして人気を集めたマシンだ。
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高回転域でもバルブサージングが起きないデスモドロミックエンジンは、ドゥカティの代名詞とも呼べるもので、耐久性の面でも大きなメリットを持つ。しかし、高回転型の高性能エンジンにとって適正なオイル管理は欠かせないのは言うまでもないだろう。
今回、エンジンオイルとオイルフィルターの交換を行ったSS1000DSの走行距離は2万8000㎞程度で、2003年式ということを考えれば、年間走行距離は1400km程度。
それほど多いとは思えないのだが、乗っていない期間もオイルは劣化していく。
あまり乗っていないバイクほどフラッシングが有効!
エンジンが動いていない期間が長くなると、シリンダーヘッドに回っていたオイルも、重力でオイルパンに落ちてくる。
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汚れやスラッジなどはオイルの中に沈殿するため、そのままドレンボルトを開けてエンジンオイルを抜いたところで、オイルパンの底に堆積した汚れは排出されないのだ。
その状態で新しいエンジンオイルを入れても、沈殿したスラッジと混ざり合って撹拌されてしまうので、新しいオイルを入れる前にエンジン内部をクリーニングすることが重要なのである。
エンジンにやさしいスーパーゾイルの「フラッシングゾイル」
一般的なフラッシングオイルは洗浄性が高いので、エンジン内の汚れを効果的に落とすことができるのだが、一方でエンジンオイルのような潤滑性を持っていないことが多い。
いったん、エンジン内に注入したフラッシングオイルは、完全に全量が抜けることが無いので、残ったフラッシングオイルは新しいオイルと混ざり合って薄めてしまうことになるのだ。
つまり、残ったフラッシングオイルがエンジンオイル性能の低下を招きかねないのである。
しかし、フラッシングゾイルの場合、優れた洗浄能力を持ちつつもエンジン内に残ってオイルと混ざり合っても害のない成分のみで構成されている。
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もちろんバイクの湿式クラッチにも悪影響が無いので、バイクにも安心して使えるのが特徴だ。
今回はフラッシングゾイルで17年分のエンジンの汚れをキレイに落とした後に、スーパーゾイルオイルを注入することにした。
エンジンオイル交換に使用したもの
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廃油の処理剤はフラッシング用とエンジンオイル用の2つを用意。オイル漏斗やオイルジョッキは必要に応じて。パーツクリーナー、ペーパーウエス、シリコン手袋を用意した。
交換した部品
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フラッシングを行う場合、オイルフィルターにもフラッシングオイルが循環するため、洗浄された汚れがオイルフィルター内に堆積することが考えられる。そのためオイルフィルターは必ず新品にする。ドレンガスケットは内径22mmという特大サイズ。
エンジンオイル交換手順
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SS1000DSは、フルカウリング仕様とハーフカウル仕様の2バージョンがラインナップされていた。ハーフカウル仕様車だったが、アンダーカウルが装備されていたので先に取り外す。
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アンダーカウルは5mmのヘックスボルト4本で固定されていた。小回りの効く電ドラボールはバイク整備にも最適で作業効率が大幅向上する。
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アンダーカウル底面が傷つくので、アスファルトに直に置かないように注意したい。
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乾式クラッチがレーシーなLツインのデスモドロミックエンジン。ツインスパークで全域でトルクフルな特性を発揮する。
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エンジンオイルドレンと、オイルフィルターはエンジン底面に位置する。
エンジンオイルを抜く前に事前確認を実施!
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エンジンオイルを抜く前に現状のオイル量を確認する。車体を正立させると適正なオイルレベルが確認できた。オイルの増減や異常な汚れはないようだ。
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オイルのフィラーキャップ(注入口)を外してみる。裏側を確認して茶色の染みのような汚れがあれば、オイル管理が悪かったと想定できる。また、オイルが乳化している場合は、ここに白いゲル状の汚れが堆積する。
エンジンオイルの抜き取り
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ドレンボルトは10mmのヘックスレンチで緩める。今回はL字レンチしか手持ちが無かったので、緊急的に使用した。できれば10mmヘックスのソケットレンチを使用したい。
抜け出たオイルがエキパイに直撃するので、養生テープで保護しておいた。エンジン停止直後は熱でテープが溶けるので使用不可。
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緩んだら、手でドレンボルトを緩めてオイルを排出させる。ある程度オイルが抜けたところでドレンボルトを手締めする。養生テープを剥がし、マフラーに付着したオイルをキレイに拭いておく。
フラッシングゾイルを注入!
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フラッシングゾイルを全量注入する。オイル全容量には足りないが、低回転でアイドリングさせる程度なので問題はない。オイル量の多いクルマや一部の大排気量バイクは2本用意しておいたほいが良いだろう。
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エンジンをしばらく(5~15分程度)アイドリングさせるか、低回転域で5~15分程度走行する。空冷エンジンなので、走行するのが望ましいが、今回は5分程度アイドリングさせてフラッシングした。
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フラッシングゾイルを抜き取ってみると、どす黒い色のオイルが排出されてきた。汚れが落ちているのが実感できた。
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続いてオイルフィルターを取り外す。サイズに合うフィルターレンチが無かったので、プライヤー式のフィルターレンチを使用した。
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しっかり挟んで緩め、いったん緩んだらあとは手で取り外す。
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車体を揺すったり、正立させたりしてオイルをしっかり排出させ、ドレンボルトとオイルフィルターの座面をキレイにウエスで拭っておく。
エンジンオイルの注入
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エンジンオイルは「シンセティックゾイル10W-40」を使用した。高い油膜保持性を持つ100%化学合成オイルにスーパーゾイルが配合されており、高回転型ハイパワーエンジンにも安心して使用することができる。
スーパーゾイルの金属表面再生効果によって、エンジンパーツの磨耗を防ぎ、潤滑性を向上させることができるので、ドカティの空冷Lツインにも最適。
街乗りはもちろんのこと、サーキット走行会などエンジン負荷が高いシーンでも安定した性能を発揮できるし、旧車やビンテージバイクの性能を回復させる効果も期待できる。
SS1000DSは乾式クラッチだが、湿式クラッチのバイクにも安心して使用可能だ。
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今回は4リットルを用意した。容器には注入ノズルが付属しており、これが実に使いやすかった。
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オイルフィルターは組付け前にオイルを満たしておく。これはオイルラインへのエア噛みを防ぐと同時に、オイルの潤滑をなるべく早くする目的で行う。
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オイルフィルターのOリング部にはシリコングリスかエンジンオイルを薄く塗っておく。
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オイルフィルターは手で締まるところまでしっかりと締める。手が滑らないように確実に脱脂する。
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次にドレンボルトを締め付ける。ドレンボルトは鉄粉を吸着させるマグネット式だった。キレイに清掃後、ドレンワッシャーを新品に交換する。
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ドレンボルトは締まるところまで手で締めてから
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工具を使ってしっかり締め付ける。
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エンジンやマフラーに付着したオイルの汚れをパーツクリーナーでしっかりと洗浄しておく。
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シンセティックゾイルを注入する。オイル量は抜け出たオイルのおおよその量から3ℓ程度と推察。まずは2ℓを先に入れて、あとはゲージを見ながら追加していった。
ゲージのアッパーとローレベルの間に油面が来たら、一度エンジンを始動させ、5分程度暖気してしばらく待ってから再びオイルレベルを確認。オイルフィルターにオイルが回った分、レベルが下がるので再度追加でオイルを注いでオイルレベルを合わせれば作業は終了。
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オイル交換後はメーターのオイル警告灯を必ず確認する。エンジン始動後も警告灯が消えない場合はオイルが循環していないことも考えられるので注意しよう。
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最後に、エンジン下回りを確認し、ドレンボルトやオイルフィルター周辺からオイル漏れが無いかチェックする。
使用した工具
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SS1000DSのオイル&フィルター交換には、10mmのヘックスレンチ、プライヤー型のフィルターレンチを使用した。必要に応じてトルクレンチがあるとなお良いだろう。
シンセティックゾイルでエンジンの雑味が消えてスムーズな吹き上がりに!
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シンセティックゾイル注入後、実際に走ってみると効果が体感できた。
乾式クラッチの音にかき消されて聞こえづらかったが、エンジンのメカノイズは明らかに小さくなったようだ。また、エンジンの吹き上がりも実にスムーズになった。トルクも増したフィーリングがあり、発進もしやすくなっている。
エンジンオイルによって、パワーフィールが良くなっただけでなく、乗りやすさも向上したようだ。シフトタッチも良好である。
ドカティのSSシリーズとして人気を博した1000DSだが、今の中古車市場で見れば現存台数は非常に少ない。それは今後も顕著になっていくだろう。
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スーパースポーツマシンとしての性能を維持しつつ、これからも大切な愛車として所有し続けていくために、エンジンのメンテナンスは欠かせない。
そんなちょい古イタリアンバイクにも最適なのが、金属表面再生効果を発揮するスーパーゾイルなのである。
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