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10年早すぎた元祖ストリートファイター「カワサキ・ザンザス」

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世の中には「時代を先取りする」という言葉がありますが、先を行き過ぎてしまった場合、まったく評価されないこともあります。いまでは「ストリートファイター」というジャンルが確立していますが、1990年代当時、そうした概念がない中でカワサキは奇抜(今では普通)なバイクをリリースしました。10年早く世に出てしまった悲運のバイク「ザンザス」を紹介します。

目次

「ザンス」と言えばトニー谷かイヤミ!

1989年に発売した「ゼファー」のヒットで金脈を発見したカワサキは、昔っぽいバイクが売れることを確信。その後は回顧路線に舵をとります。メグロをイメージしたエストレヤ(1992年)や、Z1000RイメージのZRX(1994年)などを次々にリリース。現在もその路線はZ900RSなどに継承されています。

オールドスタイルのバイクをリリースする一方で、「俺らが作りたいのは、もっとみんながぶっ飛ぶようなバイクなんや!」と言わんばかりに1992年に登場したのが、元祖 天才バカボン….ではなく、元祖ストリートファイターの「XANTHUS(ザンザス)」です。車名はギリシャ神話に登場するアキレスの愛馬の一頭から命名されていて、同じくギリシア神話に登場する不老不死の神馬の「バリオス」と一貫性を持たせています。

今では普通、当時は斬新なスタイル

カタカナで書かないと読めない車名もナンですが、デザインもかなり挑戦的でした。パワーユニットは、ZXR400の水冷4ストローク4気筒エンジンをベースに、カム角とバルブタイミング、ピストンヘッドも変更して更に低速寄りにリセッティングしています。「シグナルGPでワンクラス上に勝つ」という血の気が多いコンセプトのもと、最大出力は1993年モデルのZXR400同様に53psながら、ローギア化により11,500rpm(ZXR400は12,000rpm)となり、とてつもない加速を見せてくれます。

ザンザスの開発には社内の反対も多かったそうですが、その判断はとても正しく、のちに発売されたオールドスタイルのバイクに飲み込まれ、1995年にモデルチェンジを受けることなく姿を消してしまいました。

お前さん、死んだはずじゃなかったのかい?!

しかし、話はここで終わりません。ザンザスの製造終了から10年近くが経過した2003年、ザンザスにソックリなバイク、「Z1000」が発売されました。エンジン担当者を悩ませた右出し2本マフラーや、独特なフレームもそのまま。特に驚いたのは、カワサキが大切にしている「Z」の称号が、ザンザスの系譜モデルに名づけられていたことです。何やらZ1000は「ザンザス1000」として発売する予定もあったらしいザンスよ。シェ------ッ!!!

当時は「4スト版マッハ」と呼ばれていましたが、カワサキはザンザスをZの後継モデルと考えていたのですね(後付けっぽいですが!?)。Z1000の登場により、ストリートファイターというジャンルが確立し、ライバルのほかに、排気量が異なる兄弟車も登場しました。無念が晴らされた上に、Zシリーズとして新たな地位を築くことができて、ザンザスの魂は成仏できたことでしょう。

裸にされたカワサキのヌードマンたち

GPz400F-Ⅱ

スポーツバイクを裸にひん剥いたバイクを「ストリートファイター」と呼びますが、その手法は昔からありました。カワサキ車で脱がされた第一号は「GPz400F-Ⅱ」で、せっかく解禁になったカウルが取り去られていますが。ちなみにマイナー車ながら、青島文化教材社からプラモデルが発売されていました。

FX400R

GPZ400Rの大ヒットの陰で脱がされてしまったのは「FX400R」です。フルカウルを前提にデザインされていたため、ヘッドライトやメーターの収まりの悪さが目立つうえに、特徴だったアルクロスフレームがスチール製に変更されるなど、「なんだかなぁ」な感じに仕上がっています。それでも「カウルがないほうが渋い」などと言われていました。アバタもエクボですね。

他社でも脱がされたバイクが…

追いはぎに襲われたようなバイクは他社にもあります。

ホンダ・VFR400Z


バリバリのレーサーレプリカが、藤子F不二雄のキャラクター「芋ほりロボット・ゴンスケ」のような、とぼけたルックスにされてしまいました。

ヤマハ・FZ400N


もとはFZ400Rで、メーカー純正の「峠でコケたけど、修理代がないのでカウルを取り去った」バージョンです。ちなみに「N」は、ネイキッドの省略です。

スズキ・GS-X400Xインパルス


Xが二つも被るしつこさが印象的なこのバイクは、カタナをデザインしたハンス・ムートの発想からデザインされたモデルです。ヘッドライトステーからフレームにかけてのデザインが斬新で「東京タワー」と呼ばれていました。併売されていた「ハーフフェアリングモデル」は、せっかくのデザインを隠してしまう「モノの良さがわかってないヤツ」です。

中古車は品薄で、Z400の新車が買える価格

人それぞれの価値観によってカッコよさは異なりますが、当時のモデルは転倒してやむを得ずカウルを取り去ったようにしか見えません。その点、ザンザスは現在でも十分に通用するデザインだったことが分かります。あまり売れなかったため、中古市場でのタマ数が少なく、販売されていたとしても、現代版ザンザスであるZ400が新車で買えるほど高価ですが、「人と同じはイヤ」という人には最適かも知れません。

※記事内容は全て執筆時点のものです。最新の情報をお確かめください。

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