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V-STROMシリーズ伝統の扱いやすさ!オンロード重視のミドルアドベンチャーバイク【Vストローム800】

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スズキVストロームシリーズは、水冷並列2気筒の250、水冷V型2気筒の650/650XT、1050/1050DEに、2023年春から夏にかけて水冷並列2気筒の800DEと油冷単気筒の250SXが追加、さらに秋には800DEをベースとしたVストローム800も追加されて、全8モデルという一大ラインナップとなった。このシリーズの最新モデル、Vストローム800の詳細を見ていこう。

写真:関野 温

目次

オンロード仕様に最適化されたVストローム800

今回紹介するVストローム800は、歴代Vストロームシリーズの中でもラフロード性能にこだわって開発されたVストローム800DEをベースとしている。Vストローム800DEは、長い歴史で培われたVストロームらしいツーリングでの快適性に加えて、高いラフロード性能も身に着けていて、さまざまな道を走破できるミドル・アドベンチャーバイクとして世界中で高い評価を得ている

Vストローム800DE

そのVストローム800DEをベースに、スポークホイールからキャストホイールに換装。フロントタイヤを21インチから19インチへと小径化し、それに伴いハンドルバーとステップのディメンションも変更。前後サスはストローク量を減少することでシート高は855→825mmへと30mmダウン。スクリーンも大型化し、オンロードでの操作性や快適性を重視した作りとなっているのが、新たにラインナップされたVストローム800なのだ。

ライダーは身長172cm体重62kg。着座位置を基準とすると、800DEよりハンドルは23mm前方、13mm下方に、ステップは14mm後方、7mm上方に変更し、19インチ化に合わせたライディングポジションとしている。シート高は825mmで650よりも低い。ライダーはカカトが浮いた状態となっているが、両足が着く。車体の重心位置が高くないので、つま先立ちでも車体が振らつかず、足着きに大きな不安は感じなかった。
前後タイヤはチューブレスで、内部構造を専用設計したダンロップD614を装着。シリカコンパウンドを採用し、ウェット路面でのグリップ力と耐摩耗性が向上している。
フロントブレーキはニッシンの対向4ピストンラジアルマウントキャリパーを採用。オンロードでの制動力と操作性を重視したセッティングとなっている。

独自の電子制御システムが市街地での走りをサポートする

Vストローム800は「スズキインテリジェントライドシステム(S.I.R.S.)」と総称される電子制御システムを備えており、様々なシーンでライダーをサポートしてくれる。

その中でスズキイージースタートシステムはスタートボタンを押すと一定時間スターターモーターが回転するシステムで、スタートボタンを押し続けることなく、ワンプッシュでエンジンがかかる。今回は撮影をしながら150kmほど走行し、その途中で撮影の確認をするためにエンジンを止めて停車し、またエンジンをかけて再スタートするということを何度も繰り返した。その際、始動性のよさもあって本当にワンプッシュでエンジンがかかり、エンジンをかかるまでスタートボタンを押し続けなくてもいいのは、予想以上に便利な機能だと分かった。

スタートボタンはキルスイッチと一体型。ワンプッシュでエンジンスタートができ、使うほどに便利さを体感した。下はハザードスイッチで、右側にスライドさせると点滅する。

エンジンがかかり、クラッチを切ってギヤを入れるとアイドリング回転が少し高くなる。これがローRPMアシストの機能で、発進時のエンストを防いでくれるのだ。このローRPMアシストはエンジン回転数/ギヤポジション/スロットル開度/クラッチスイッチの情報から制御されていて、発進時だけではなく渋滞時の低速走行やUターンの際のエンジン回転もサポートしてくれる。渋滞の多い市街地走行や狭い曲がり角などでエンジン回転数が落ち込みにくいので不意のエンストを防いでくれて、トコトコと安定した低速走行がしやすい。

これはVストローム800の低回転域のトルクが粘るエンジン特性のよさも貢献しているのだろう。今回、信号待ちからの再発進で加速がもたつくことがあったのだが、表示されたギヤポジションを見ると3速発進していたからだ。ライダーのシフトミスでもエンストすることなく、しっかりとアシストされていたことに驚いたのが正直なところだ。

モード変更で自分好みの扱いやすさが得られる

Vストローム800のエンジン特性は、スズキドライブモードセレクターでA/B/Cの3種類のモードに変更できる。どのモードも最高出力は変わらないが、A(アクティブ)モードは低中速域で最もシャープなスロットルレスポンスとなり、すべてのスロットル開度で最大のパワーを発揮するスポーツ走行向きの特性となる。B(ベーシック)モードは中間のスロットル開度がAモードよりマイルドになり、市街地やツーリングでマシンコントロールしやすい特性となる。C(コンフォート)モードは全域でスロットルレスポンスがマイルドになり、滑らかな加速となる。ギクシャク感が減り、タンデム時や雨天時に向いた特性となる。

MODEスイッチを押して、トラクションコントロール(TC)/ドライブ(SDMS)/ABSから変更したいモードを選択。SDMSを選んだらセレクトスイッチ(矢印)でモード設定を変更できる。TCは3モード+OFF、SDMSは3モード、ABSは2モードに設定可能。TCとABSは1が介入度が少なく数字が大きくなるほど介入度が増す。スイッチボックスの前方にはヘッドライトのディマー/パッシングスイッチがある。

市街地と緩やかなワインディングで各ドライブモードを試してみたが、個人的にはBモードにいちばん扱いやすさを感じた。どのモードもローRPMアシストのおかげで安定して発進できるが、そこから先の加速で各モードの違いを体感できる。Aモードはスロットル開度を増やすほどに270°位相クランクのスムーズな回転上昇と鼓動感のあるトルクが立ち上がり、コーナーの立ち上がりでは抜群の加速力を発揮する。速度が上がっても前後タイヤはしっかりとグリップ力を発揮し、前後サスもフラットな乗り心地を提供してくれ、低速時よりもしっかりした車体の安定性が体感できるほどだ。ただし加速が鋭くなった分、車体の荷重移動量も増え、スロットルやブレーキの操作で車体がギクシャクした挙動になりやすい。特に交通量が多くゴー&ストップが増える市街地では、個人的には加速が鋭すぎるようにも感じられた。

Cモードは全域でスロットルレスポンスがマイルドになり、加速力も800ccクラスとしては物足りなさを感じる。しかし、スロットル操作に対する車体の荷重移動量も少なくなり、マシン挙動もマイルドになって、乗り心地にも穏やかさが感じられる。雨天時や疲労時にあると便利なモードだと思った。

BモードはAとCの中間的なスロットルレスポンスと加速力を発揮する。スロットルに対するエンジンと車体の反応が予想しやすく、加速は速すぎず、かと言って遅くもない。Vストローム800は「スズキクラッチアシストシステム(SCAS)」を装備し、エンジンブレーキのバックトルクによる後輪のホッピングを低減しているが、その効果でAモードよりも減速時のマシン挙動がギクシャクしない。ハンドリングはどのモードでもクセがなく、交差点などの低速時や、ある程度スピードの乗ったコーナリングでも前輪からスッと車体の向きが変わっていく。車体の倒し込みに重さも感じず、速度に合わせて倒し込んでいっても車体が急に倒れ込んでくることもない。こうした加減速時やコーナリング時にマシンコントロールをしやすいのがVストローム800の乗り味となっており、Bモードはその実用的な乗りやすさとスポーツ性のバランスがいちばんまとまっているように感じられる。

アルミ製テーパーハンドルバーは、前輪の小径化に合わせて800DEより幅が15mm短くなっている。
クッション素材を高密度化し、シート形状と硬度を最適化。ロングツーリングで快適な座り心地を実現している。

近年のアドベンチャーバイクは高いオフロード走破性も加味されたモデルが人気で、Vストローム800DEはそうした要望に応える一台として登場し、世界中で人気となっている。しかし、大径21インチホイールの舗装路で粘るようなハンドリング、走破性を確保するためのサスストローク長とそれによるシートの高さは、ラフロード走行を考慮していないライダーにはメリットよりもデメリットを多く感じるだろう。

Vストローム800はそうしたラフロード向け機能を省く代わりにオンロード向けに各部を最適化し、アップライトで見晴らしのいいライディングポジションをとりながら、双方向クイックシフターや大型ウインドスクリーンなどを装備して、舗装路を快適にどこまでも走っていける扱いやすさを身につけていた。250/650からのステップアップ、1050からのダウンサイジングとして乗り換えても、800の扱いやすさは多くのライダーが体感できるだろう。

電子制御が洗練されラフロード走破性も高い

オンロード向けとなったVストローム800だが、アドベンチャーバイクということでフラットダートも走行してみた。フロントホイールは19インチとなり、タイヤもオンロード向けとなったが、フロントの接地感は予想以上に分かりやすかった。とは言え、800DEほどのグリップ力はなく、前後サスのストローク量は減少しつつタイヤ剛性は上がっているので、路面からの衝撃が身体に伝わりやすくなっている。急ブレーキや急ハンドルといった操作は荷重移動量を増やし、マシン挙動を乱して一気にバランスを崩す原因となる。また、コーナリングで車体を倒し込む際も舗装路のような安定性は感じにくい。

ただし、STCSとABSの制御が、かつてのVストロームシリーズと比べて洗練されているのも体感できた。フラットダートでSTCSとABSの両方を1に設定して走行したが、意図的にスロットルとブレーキの操作をラフに行なわなければ、どちらも介入が少なく自然な乗車感となっていたからだ。オンロード仕様となったVストローム800だが、路面が整備された林道やキャンプ場のフラットダート程度なら、ローRPMアシストの効果もあって、オフロード経験の少ないライダーでもトコトコと走破していける扱いやすさがある。

筆者は林道ツーリングが好きなので、試乗前はVストローム800DE一択と思っていた。しかし、林道ツーリングでのダート走行率は1割に満たないのが現実で、Vストローム800の取りまわしやすさ、舗装路での軽快で快適な乗り心地を体験してみると、Vストローム800の実用的な扱いやすさをかなり魅力的に感じたのも事実だ。エンジン型式は650/1050のVツインからパラレルツインへと変わり、エンジン特性に異なる部分もあるが、最新S.I.R.S.のおかげで乗りやすさはさらに増していて、Vストロームシリーズらしい扱いやすさはVストローム800にも健在だった。

<SPEC>
●全長/全幅/全高:2,255mm/905mm/1,355mm
●装備重量:223kg
●ホイールベース:1,515mm
●シート高:825mm
●エンジン型式:水冷4サイクル並列2気筒DOHC4バルブ
●総排気量:775cm³
●最高出力:60kW〈82PS〉/8,500rpm
●最大トルク:76N・m〈7.7kgf・m〉/6,800rpm
●燃料消費率 (WMTCモード値):22.6km/ℓ(1名乗車時)
●燃料タンク容量:20ℓ
●ブレーキ形式:前ダブルディスク、後ディスク
●タイヤサイズ(前/後):110/80R19M/C 59V / 150/70R17M/C 69V
●ボディカラー:パールビガーブルー、マットスティールグリーンメタリック、グラススパークルブラック

●価格:1,232,000円(税込)

Vストローム800ディテール紹介

燃料タンク容量は20ℓを確保。ニーグリップ部分がスリムなので、シッティングポジションでガニ股にならない。オフロード走行時に多用するスタンディングポジションもとりやすい。
双方向クイックシフトシステムを標準装備。シフトアップ時は自動的に出力をカットし、スロットル全開でもスピーディな変速が可能。シフトダウン時は自動的にエンジン回数をわずかに上げて、スピーディかつスムーズに変速する。各ギヤ、各回転域で最適なセッティングが施され、快適なシフトフィーリングも実現している。OFFにも設定できる。
800DEより大型化されたウインドスクリーン。風洞実験で作り込まれた形状はハイスピードになるほど高い防風性能を発揮する。高速走行やロングツーリングでの疲労を軽減してくれる。3段階に高さ調整が可能(工具必要)。
ディスプレイ左側にUSBソケット(タイプA)を標準装備。スマホなどのデバイスへ給電できる。
クチバシのデザインも800DEと異なる専用設計となっている。ヘッドライト、ウインカー、ポジションランプ、テールランプはすべてLED。
ハンドル左側にヘルメットホルダーを標準装備。
最大耐荷重10kgのリヤキャリアを標準装備。純正アクセサリーのトップケースの装着に対応している。グラブバーはタンデムライダーが握りやすい形状となっている。
フロントフェンダーは800DEの3ピース構造とは異なり一体構造。
ステップはオンロードでの快適性を考え、スチールではなくアルミを採用。防振ラバーも装着される。

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