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車載時はガソリン臭との闘い!「モトコンポ」【レトロバイク図鑑】

※記事内容は全て執筆時点の情報です。

♪クルマに載るバイク、できたらいいな〜あんな夢こんな夢いっぱいあるけど〜みんな、みんな、みんな叶えてくれる、ホンダの技術で叶えてくれる~

1981年11月11日にホンダは小型乗用車「シティ」と、ラゲッジスペースにピッタリ収まるレジャーバイクを同時発売しました。クルマとバイクの同時開発は世界初。前代未聞のモビリティ「モトコンポ」を紹介します。

目次

クルマに載せることで行動範囲が広がる

写真提供:安藤製作所さん

モトコンポは「初代シティのラゲッジスペースに積める」というコンセプトのもとで開発されました。車名は「モーターバイク=モト」と、オーディオの「コンポ」を合わせています。「バイクもコンポになった」というキャッチコピーのとおり、持ち運びできるバイクであることが協調されています。

写真提供:崔領二(サイリョウジ))さん

全長1,185 mm、乾燥重量42 kgとコンパクトなボディに出力2.5馬力 / 5,000rpmの2ストロークエンジンを搭載。ハンドルとシートとステップを折りたためば、シティのトランクに搭載可能です。

ウワサによると、シティの開発の途中で「コイツに積めるバイクを作っちゃおうぜ!」という話になり、モトコンポの開発が突貫で行われたそうです。旧式のロードパルのエンジンを流用している点などから、話の信憑性は高そうです。

シティのオマケではありません

写真提供:からあげさん

豊富なカラーバリエーションの初代シティに合わせて、モトコンポもチューリップのように、赤・白・黄色などをラインアップしていました。驚くことに車体カラーに合わせた半キャップタイプのヘルメットも販売していました。車体価格は8万円。「シティを買うとモトコンポが付いてきた」など、怪情報も流れています。マニアックなバイクながら、1981年から1985年までに約5万台が販売されました。 

同級生はCBX400F

モトコンポが発売された同じ年に、「CBX400F」も発売されました。中型クラスの名車として根強い人気を誇り、現在は100~300万円台のプレミアム価格がつけられています。1980年代後半なら、先輩に20万円くらいで譲ってもらえたんですけどね。

コンセプトは良かったのだが…

写真提供:からあげさん

「クルマに載せることができるバイク」というコンセプトながら、実際にモトコンポを積んでいる人はほとんどいません。なぜならガソリンが溢れないように完全密閉タンクや逆止弁を装備していますが、それでも車内にガソリン臭が充満するからです。

写真提供:からあげさん

バイク単体として見ても、40kmしか出ない旧式のエンジンや、2.2リットルしか入らない小さなガソリンタンク、車載を優先したコンパクトすぎる車体など、「クルマに積まないなら買っても意味なくね?」と、突っ込みどころ満載でした。当然のことながら、スズキが追従することもなく、ひっそりと姿を消したのでした。

モトコンポに廃車と言う文字はない!

写真提供:からあげさん

今回使用した写真は、3人のモトコンポオーナーさんからご提供いただきました。発売から40年以上も経過しているにも関わらず、元気に街を走っている車両が多いことに驚かされます。どの写真からも可愛がっている様子が伝わってきました。

21世紀に現れたモトコンポの子孫

出典:https://motocompacto.honda.com/

2023年9月14日、40年以上の時を超えて、モトコンポ復活のニュースが飛び込んできました。ホンダの米国法人は小型電動バイク「モトコンパクト」を同年11月に発売することを発表しました。

駆動方式は前輪駆動を採用し、最高時速は約24km。フル充電なら最大航続距離は1約19kmで、バッテリーの電気が無くなっても3.5時間で充電が完了するといいます。ラゲッジスペースに積んでもガソリン臭はありませんし、電気式自動車との相性も抜群です。米国での車両本体価格は995ドル(約14万7000円)で、米国ホンダのバイク取扱店と四輪車ディーラーおよびアキュラディーラーで取り扱われる予定です。

の国内販売は未定ですが、国での車両本体価格995ドル(約14万7000円)で発売されれば人気になるはず。吉報が待ち遠しいですね。

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