バイク界において普遍と言う言葉が似合うのは、ハーレーダビットソンをおいてほかにはないだろう。もちろん古臭いと言うわけではない。モデルチェンジによってデザインが変更されたり最新メカが搭載されても、ハーレーダビットソンが放つ雰囲気は変わることがない。スポーツスター・アイアン1200は、いわば旧車のような新車。変わらないことの良さを現代に伝えている。
アイアン1200の車種プロフィール
スポーツスター・アイアン1200のパワーユニットは、ハーレーらしい空冷Vツインを搭載。プライマリーチェーンを介して駆動力をトランスミッションに伝える古典的なシステムを採用している。ハンドルはチョッパースタイルの特徴であるミニエイプバーを採用。ビキニカウルやラバー製のフォークカバーでフロントビューを演出するなど、70年代からタイムスリップしたような印象を与えている。
バイクインプレ
スポーツスター・アイアン1200は、70年代風のテイストが随所にみられる。「軽量化など眼中にない」とでも言うようなスチールフレームを採用。エンジンのシリンダー外側には4本のプッシュロッド、シンプルなキャストホイール、細いフロントフォーク、ツインショックなど、良い意味で時代を錯誤している。
足つき
ハイバックパッドがライダーを確実にホールドするカフェソロシートを採用。シート高は735mmと低く安定感がある。オールドスタイルながら燃料供給方式は電子シーケンシャルポートフューエル噴射(ESPFI)を採用しているので、快適なクルージングが楽しめる。
走り
アイアン1200をライドしてみよう。フロント100/90B19 57H、リア150/80B16 77Hが車両重量256㎏の鉄の塊を支える。乗り味はイマドキのバイクのようなどっしりとした安定感ではなく、切り返しを得意とした俊敏なフィーリング。リア荷重なのでスポーツスターらしいヒラヒラ感が楽しくバンク角も十分なので、バンクセンサーが地面を擦っても車体を深く寝かせられる余裕がある。
メーターはスポーツスターファミリー共通のシンプルなタイプ。小型液晶画面でエンジン回転数やギヤ段数、オド/トリップメーター、時計などが切り替えられる。
エンジンやエアクリーナーケース、マフラーガードはブラックアウト。プッシュロッドカバーのクロームがアクセントになっている。
スポーツスター共通のプレミアムライドエマルジョンリアショックは、段差通過時の底付きを解消する。初期荷重はしなやかに、ストロークの奥ではしっかり踏ん張ってくれる。
アイアン1200は扱いやすく、ハーレーの中でも手頃なプライスなので、ビッグバイクビギナーはもちろん、リターンライダーにも最適である。何よりも現代において70年代のテイストが味わえることは、ハーレーファンにはたまらないだろう。
※当記事は動画「MOTO BASIC」協力のもと、モトメガネが編集構成したものです。