その車両のことを知るなら、実車を前にして細部まで観察するに限る。
とはいえ、近くにバイクショップがなかったり販売終了モデルだったりするとなかなか難しい……。
そこで、バイク買取も行っているモトメガネがバイクの特徴を紹介!
当記事では車両の特徴を駆け足で見ていく。さらに踏み込んだ車両の詳細に関しては「Motorcycle Fantasy」のYouTubeチャンネルでチェックしてほしい。
今回調査した車両はホンダの『CB750ホーネット』だ!!
CB750ホーネット車種プロフィール
2025年、ホンダが放った新型CB750ホーネットは、”ちょうどいい”を極めたストリートファイターである。軽快な走りと実用性を両立しつつ、どこか尖ったスタイルが光る。先代ホーネットの血を受け継ぎつつ、最新の電子制御と快適装備を搭載。ハイパワーではないが、ツボを押さえた出力特性と扱いやすさが魅力である。
バイクの特徴をざっくりチェック!
CB750ホーネットは、スポーティでスリムなネイキッドマシンである。軽量な車体に750cc並列2気筒エンジンを搭載し、中回転域のトルクを重視した設定。低中速域でのレスポンスが鋭く、街乗りやワインディングで真価を発揮する。LED灯火類、スマートキー、TFTメーター、ライディングモードなど、現代的な装備も抜かりない。乗り味はマイルドだが、しっかり走れる“隠れた牙”を持つマシンである。
CB750ホーネットの登場は、「手頃でカッコよく、よく走る」バイクが欲しいというライダーの声に応えたもの。250や500では物足りないが、リッターは重すぎる──そんなちょうど中間を狙ったのがこの750だ。ヨーロッパ市場のミドルクラス戦線をにらんで、ライバルに一石を投じる存在として開発された。当時のバイク界はミドル再評価の流れがあり、ホーネットはまさにそのど真ん中に刺さった一台である。
エンジン
CB750ホーネットに搭載されるのは、排気量755ccの並列2気筒ユニット。型式はRC90E、水冷・4ストDOHCである。軽量・コンパクトながらも最大出力は約90PS(67kW)で、十分すぎるほどのパワーを発揮する。中低速トルクに厚みを持たせたセッティングが特徴で、街乗りやツーリングで扱いやすい。エンジンフィールは滑らかで、必要なときにはグッと力強く引っ張る。クラッチの軽さも好印象である。
フレーム
フレームはダイヤモンド型の軽量スチール製。剛性バランスに優れ、しなやかな走りと軽快なハンドリングを両立している。誰にでも扱いやすい操縦性を追求した設計で、コーナーでも安定感抜群。センター周辺の質量集中により、旋回性にも優れる。エンジンを構造材として活かすことで軽量化にも貢献しており、ライダーとの一体感を生む。
足回り
フロントはショーワ製41mm倒立フォーク、リアはプロリンク式モノショックを装備。サスセッティングはややしっかりめで、スポーティなライディングにも対応する。ブレーキはフロントがダブルディスク、リアはシングルで、ABSは標準装備。タイヤサイズはフロント120/70ZR17、リア160/60ZR17。軽快なハンドリングとしっかりしたグリップ感で、街も峠も余裕で走れる足回りとなっている。
ハンドルまわり・灯火類
ハンドルはアップライトなバーハンドルで、視界と操作性を両立。ウィンカーやライトはすべてLEDで、フロントマスクはシャープかつ近未来的なデザイン。メーターは5インチフルカラーTFT液晶で、スマホ連携や各種ライディングモードの切り替えも可能。操作系スイッチはグローブ装着時でも扱いやすく、実用性も抜群。ホンダらしい丁寧な仕上げと、現代のバイクに求められる機能が融合している。
その他の装備&特徴
ライディングモードは3種類(SPORT/STD/RAIN)を備え、トラコンやエンジンブレーキ制御も組み込まれている。USB-C充電ポートやグリップヒーターも標準装備。シート高はやや低めの795mmで、足つき性も良好。車重は190kg台と軽く、取り回しも楽。タンデムもこなせるシート設計で、ソロも二人乗りもイケる万能バイクである。価格帯もリーズナブルで、エントリー層にも届く仕様となっている。
CB750ホーネットは、“走って楽しい”“使えて便利”“見た目もカッコいい”の三拍子を備えたミドルクラスの刺客である。尖りすぎず、でもヌルくもない。ちょうどいいパワー、ちょうどいい装備、そしてちょうどいい価格。初心者からベテランまでを満足させるだけの器を持っている。